2016/08/15    14:31

「光復節」で、朝鮮半島に光は戻ったのか?

71年目の終戦の日を迎えた15日、海の向こうの韓国は「光復節」を祝う。日本による統治から朝鮮半島が“解放”され、「光」が戻ったことを祝う日だ。昨年は、安倍晋三首相が発表した歴史認識に関する談話、いわゆる「安倍談話」が話題になったが、今年の大きなニュースは、韓国の国会議員10人が、日本の領土である竹島に上陸したことだろう。
 
日本政府の事前の制止を振り切って強行された今回の上陸劇が、日韓関係に悪い影響を及ぼすのは明らかだ。くしくも、昨年末の日韓合意に基づいて、慰安婦問題を解決するための財団に日本が10億円を拠出しようとするタイミングで、日韓友好を進めようという機運に水を差すかたちになった。
 
反日が愛国とほとんど同じ意味を持つ韓国では、日本に対して戦う姿勢を示すことが、世論へのアピールになる。今回の竹島上陸についても、来年の大統領選に向けてのPRという意味合いが透けて見える。
 
しかし、韓国にとって日本は、北朝鮮対策を考えるうえでも重要なパートナーであり、国内での人気取りのために反日を安易にカードに使うことは、非生産的と言わざるを得ない。
 
こうした場合には、日本が歴史認識について主張することを控えて、日米韓の安全保障上の協力を進めるべきだという意見がよく聞かれる。日本の“右翼的な”歴史観に対しては批判が及ぶが、韓国側が日本を再三にわたって挑発することに対する批判の声は、国際的にも比較的、穏やかな印象がある。
 
しかしむしろ、改めて考えてみるべきなのは、韓国の側の歴史認識である。韓国の国会議員が8月15日に竹島にわざわざ上陸したのは、もちろんこの日が、「光復節」だからである。だが、その「光復節」は、本当に朝鮮半島に「光が戻った日」なのだろうか。
 
日本の敗戦をきっかけに、朝鮮半島はソ連側の北と、アメリカ側の南とに分断され、1950年には、思想の違いによって国を分かった同じ民族同士が殺し合う、朝鮮戦争が起きた。分断の構図は現在まで続き、「ソウルを火の海にする」と言ってはばからない独裁国家の北朝鮮は、核開発にいそしんで周辺国を危機にさらしている。
 
日本による統治から、民族の手に半島を取り戻したはずの「光復節」は、むしろ、朝鮮民族にとってのさらなる受難の始まりであった。そしてそれは、日本の援助を受けての朝鮮の近代化がいったん終わりを迎えた日でもあった。
 
日本の朝鮮統治のすべてが良かったとは言わないが、身銭を切ってまで朝鮮でのインフラや教育の投資を惜しまなかった日本の努力によって、それまで宮廷の政争によって近代化が叶わなかった朝鮮は、見事な経済成長を経験することになる。大東亜戦争においては、多くの朝鮮の人々が日本のために戦おうと志願した。そうした面を考えれば、8月15日という日は、朝鮮にとってもまた「終戦の日」である。それは、「日本とともに歩んだ日々」の終わりということである。
 
もし日本と韓国との間で、将来、建設的な協力関係が生まれるとするならば、それは韓国の側がこれまでの歴史認識を改めて見つめ直し、「光復節」という呼び方がきわめて一面的なものであることに気づく時から始まるのだろう。そうであってこそ、日米韓が協力して、北朝鮮の脅威に正面から向き合うことも可能になる。
 
その先に待ち受けている、自由と民主主義のもとに朝鮮半島が統一される日こそが、本当の意味での「光復節」となる。

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