2015/05/07    08:00

【社説読み比べ】敗れゆく朴外交? 世界での孤立を恐れる韓国メディア

安倍晋三首相は、インドネシアで開かれた「アジア・アフリカ首脳会議(バンドン会議)」で中国の習近平国家主席と首脳会談を行ったのに続き、米議会の上下両院合同会議で日本の総理大臣として初めての演説を行うなど、外交政策を着実に切り盛りする姿が目立っている。

日本が中国やアメリカとの関係強化に向かっている分、際立つのは日本との首脳会談を拒否している韓国の外交姿勢だ。日中首脳会談と、安倍首相の訪米を受けて、韓国のメディアは、危機感をあらわにする社説をこぞって掲載した。
 

歴史問題にこだわりすぎて招いた孤立

まずは日中首脳会談を扱った社説を見てみたい。中央日報は、韓国にとって「日中の接近」より気になるのは、日韓関係の悪化だと述べている。

バンドン会議で実現した安倍首相と習・国家主席の会談について、「韓国が孤立したと大げさに騒ぐようなことではない」と冷静さを装いつつも、「韓日関係の悪化をこれ以上放置できない時点に来ている」との認識を示した。

 韓国が日本との首脳会談を3年間避けてきているなか、相次いで日中首脳会談が行われたのだ。

  韓国が孤立したと大げさに騒ぐようなことではない。30分間行われた今回の略式会談で両首脳が実質的進展を成し遂げた事案は多くない。しかも、会談のすぐ翌日に日本の閣僚が集団で靖国神社を参拝したところを見ると、日中関係が蜜月に入ったと断定するのは難しい。(中略)

  韓国にとって日中の接近よりも心配になるのは、日増しに激化していく日本の嫌韓感情だ。よほどでなければサムスンが日本に輸出する携帯電話から自社ロゴを消すようなことはしないだろう。韓日関係の悪化をこれ以上放置できない時点に来ている。政府は日本の歴史・領土妄動には断固として対応するものの、安保や経済はもう少し柔軟で現実的な打開策を立てなければならない。旧日本軍慰安婦問題を国際仲裁に回付するなどより積極的な解決策を模索するものの、この問題を韓日首脳会談と連係させてきた従来の立場は緩和する必要がある。朴槿恵大統領がソウルや東京で安倍首相に会うのが難しいなら、第3国で開かれる多国会談で略式会談を持って東アジアの未来を議論するのもひとつの方法だ。これとあわせて盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代に推進していた韓日自由貿易協定(FTA)の議論を再開することも前向きに検討する時期になった。
(中央日報 「【社説】ますます悪化する韓日関係、突破口が必要だ」 2015/04/24)

同紙は28日の社説でも、アメリカが歴史問題よりも中国の軍事的な脅威に対応するために、日本との関係強化を選んだと指摘。韓国が歴史問題にこだわるあまり、外交でバランスを失っていないか憂慮している。

米国国内ではこれまで、安倍政権の歴史問題をめぐる暴走に対し懸念する声が高まっていた。米国の一部の議員たちは安倍首相に対し、今回の演説で「過去に対する率直な反省や謝罪の意思を表明すべきだ」と求めていた。だが、中国の浮上を意識した米国は、歴史問題を先に解決することよりも、日本との軍事・経済同盟を強化するという選択をした。このままいけば、安倍首相は29日の上下両院合同会議での演説はもとより、今年8月15日ごろに発表する予定の終戦70周年談話でも、(過去の反省や謝罪に消極的な)自らの普段の考えを強調する可能性が高まったとみるべきだ。

安倍首相の訪米をきっかけに、米日関係はこれまでとは次元の異なる新たな段階に進むとみられる。米国は今後、韓日両国の軍事協力の強化をさらに強く求めてくる可能性が高い。中国もまた、このような流れを座視することはないだろう。日本の歴史認識や独島(日本名:竹島)をめぐる挑発は、軽視してはならない事案だ。だが、韓国が2年以上にわたり、日本の歴史問題の追及にこだわっている間に、中国と日本は最近首脳会談を行った。韓国の外交が、現在北東アジアで起こっている大国間の力関係の変化を十分に読み解き、賢明な対応をしているという信頼感を国民に与えているのかどうか、心配でならない。
(中央日報 「【社説】歴史的な安倍訪米と心配な韓国外交」 2015/04/28)


日本追及の仲間にさえ見放される危機感

朝鮮日報は、朴槿恵大統領が安倍首相との会談を避け続ける間に、習氏が安倍首相との会談を2度も実現させたと、自国の外交姿勢に疑問を呈している。

特に、バンドン会議で、安倍首相が先の戦争についての謝罪を演説に盛り込まなかったにもかかわらず、習・国家主席が安倍首相との会談に応じたことに注目。韓国政府がより現実的な打開策を示すよう求めた。

習主席は昨年7月に韓国を訪問した際、安倍内閣の歴史に逆行する動きを真っ向から批判し、韓中両国が共同で立ち向かうことを提案した。日本を「盗賊」と呼んだことさえある。そんな習主席がわずか数カ月の間に2度も安倍首相と会談した。今回の会談が30分にも満たない短いものだったという点を差し引いても、中国と日本の関係が正常化の段階に差し掛かっていると受け止めざるを得ない。

安倍首相は今回のアジア・アフリカ会議の演説で、1955年のバンドン会議で採択された「平和10原則」に盛り込まれた「侵略または侵略の脅威、武力行使によって他国の領土保全や政治的独立を侵さない」という項目を取り上げ「日本はこの原則を、先の大戦の深い反省とともに、いかなるときでも守り抜く国であろうと誓った」と述べた。しかし、植民地支配や侵略戦争を引き起こしたことに対する謝罪は一言もなかった。中・日首脳会談がこの演説の直後に行われたという点で、中国は安倍首相の演説内容を受け入れたか、あるいは容認したと解釈できる。日本はまた、米中関係の変化の隙を縫うように、18年ぶりに米国との同盟関係を大幅に強化することで合意し、今月29日には安倍首相が日本の首相として初めて、米国の上下両院合同会議で演説を行う。

韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官は最近、米中両国の板挟みとなっている韓国のジレンマについて「両国からラブコールを受けている状況は、厄介なことではなく、祝福と受け止めるべきだ」と語った。韓国外交のトップがこのような発言をしながら、日本との首脳会談を3年も避け続けている間に、中・日首脳会談が相次いで実現した。韓国政府は日本の歴史に対する後ろ向きな姿勢について原則的な対応をしつつも、安全保障や経済の問題については、より柔軟で現実的な打開策を示す必要がある。
(朝鮮日報 「【社説】韓国外交に孤立化を避ける戦略はあるのか」 2015/04/23)

 

アメリカの「韓国疲労」への危惧

韓国経済新聞も、バンドン会議で安倍首相と会談した習・国家主席が、日本との歴史問題に言及しなかったことを引き合いに、韓国が中国やインドだけでなく欧米トップにも無視されている状況を憂えている。

また、米政界で「韓国疲労症」が起きているという認識を示し、危機感をにじませている。

  問題は、日本に対する「過去の歴史の反省」という名分論の落とし穴にはまり、こうした現実を直視しようとしない韓国外交だ。韓国は、中国が過去の問題において永遠のパートナーの役割を果たすと信じていただろう。だが中国は、それなりに徹底した計算をしながら変化している。米国との関係はますます疎遠になり、むしろ日米の蜜月関係が形成されている。ワシントン政界で韓国疲労症が議論されているということは、すでに周知の事実だ。最近では韓国を排除して豪州と日本を太平洋安保パートナーとすべきだという主張まで出てきた。THAAD配備についても右往左往する姿ばかり見せていた。外交の柔軟性もないだけなく、だからといって明確な原則も見出せない。かえって29日の米国議会で行われる安倍首相の演説を前に米国の広報会社を動員して冷水を浴びせようとしたという事実だけが表面化し、さらに国家の恥をさらしている状況だ。

  外国の主要国の政治家たちが日本などアジア歴訪をする時も、あえて韓国は訪問しない雰囲気が感知されている。インドのモディ首相やドイツのメルケル首相、米国のミッシェル大統領夫人、クリントン元米大統領らが日本だけを訪問して韓国には来なかった。大韓民国に主要国の国賓が途切れたも同然のことだ。いったい朴槿恵(パク・クネ)外交はどこへ向かっているのか。
(韓国経済新聞 「【社説】中国と日本の和解、韓国外交は?」 2015/04/24)


東亜日報は、英フィナンシャルタイムズ紙のコラムから、歴史問題について「ワシントンは若干の『安倍健忘症(Abenesia)』を容認する準備ができている」という一節を引用して、アメリカを間接的に批判した。

しかし同時に、歴史問題に拘泥する韓国にアメリカがうんざりしてきていることを指摘。韓国が孤立しつつあると警鐘を鳴らし、日本との関係を模索する中国の柔軟な外交姿勢を参考にすべきだと述べている。

韓国が日本の植民支配から脱して70年となる今年、安倍政権はいわゆる「終戦70年」を日米同盟をグレードアップする年にするために全力を尽くした。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に他の友好国が参加したにもかかわらず、米国を意識して先送りし、来月開かれるロシアの対ドイツ戦勝記念式典にも安倍首相は出席しない。歴史に対する退行的な認識のため韓国や中国からしばしば批判を受けるが、米国では「最も確信できる日本のリーダー」という評価を受けている。英フィナンシャルタイムズが最近、コラムで、「ワシントンは若干の『安倍健忘症(Abenesia)』を容認する準備ができている」と書いたほどだ。(中略)

米国と日本の密着と日本の「外交屈起」で、韓国外交の悩みは一層大きくなった。韓日の対立が長期化し、米国内では韓国の「歴史執着」に対する疲労感の兆しも見える。経済では中国の比重が高まり、安全保障の面で韓米同盟が何よりも重要であるにもかかわらず、韓国が孤立しないか心配だ。日本が21世紀の日米同盟をさらに強固に発展させる状況で、韓国も現実主義的国家戦略に立って、国益を図る戦略的な思考が必要だ。

最近、中国が強弱両面の対日政策を駆使していることは、韓国に示唆するところが大きい。植民地支配という辛い歴史を持つ韓国が、日本との関係で過去の問題を軽視できず、日本の「挑発」に対応せざるを得ない時もあるが、政府や韓国社会がこの問題に埋もれ、より重要な国益を逃す危険はないか省察する時だ。過去が現在と未来を縛る鎖にならないよう韓日両国が共に努力する必要がある。
(東亜日報「[社説]日米同盟を強固にする安倍首相の訪米、韓国は単線的な見方に偏ってはならない」 2015/04/25)

朴槿恵大統領の「告げ口外交」のしつこさが、東アジアだけでなく欧米主要国からも毛嫌いされはじめ、韓国の孤立化を招きつつあることに、韓国メディアもようやく気付き始めたようだ。しかし、その朴氏の「日本たたき」を煽っていたのも、ほかならぬ韓国メディアであることを忘れてはならない。

安倍首相の訪米に合わせて、日米の防衛相が「日米韓」の3カ国防衛相会談を提案する方針で一致したという。日中韓首脳会談の開催を模索する動きもある。安倍首相が繰り返しているように、日本サイドからの対話のドアは常にオープンである。孤立化を恐れるならば、そろそろ呼びかけに応えてもいいころではないか。

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