2016/02/04    14:00

今年は尖閣紛争の年?――経済危機の中国と、レームダックのオバマ政権

国際政治の予測には、パターン化されたものがある。一党独裁の中国は、経済が危なくなると、軍事で戦闘的になることで国内の不満を逸らそうとするだろうというのが一つ。それから、アメリカの大統領が2期目の終わりを迎える年は、レームダックになってしまい、外交で大きな動きが取りづらいというのが一つ。
 
これら二つを足し算すると、今年は中国が、周辺国とさらに問題を起こす可能性が高いということになる。
 
こうした分析を、米ハドソン研究所のアーサー・ハーマン上級フェローとレウィス・リビー副所長が、このほどのウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿している。両氏は、中国が次に問題を起こすとすれば、東シナ海が舞台になる可能性が高いと論じ、中国政府につながる学者が、「尖閣の紛争を解決するには危機が必要かもしれない」と私的な会話で述べたと指摘している。
 
両氏はまた、紛争は偶発的な衝突か「自衛」のための発砲から始まる可能性があると分析。危機が高まるにつれて国際社会が自制を求め、日中の両方が引くことになるが、「各国は日本の権利を支持するよりも、短期的な静かさの方が自国の利益になると判断するため、中国の主張がより有利になるだろうと中国は計算しているかもしれない」と述べている。
 
もっとも、尖閣諸島で日中が紛争に突入すれば、日本は当然ながらアメリカと連携して防衛にあたることになる。最近でも、米太平洋軍のハリー・ハリス司令官がワシントンでの講演で、「中国に攻撃されれば、我々は尖閣を明確に守る」と明言したことが報じられた。自国の領土を率先して守る責任は日本にあるとはいえ、心強い発言だろう。
 
しかし、事前の約束は約束としながらも、実際に事態がどう推移するのかは、事が起きてからでなければ分からない部分がある。もちろん、尖閣は日米安保の範囲内だと明言していながら、いざという時にアメリカが日本の助けを躊躇すれば、世界中のアメリカの同盟国が失望することだろう。しかし、紛争への介入を嫌うオバマ大統領が、なるべく中国と事を構えないように、穏便な対応を日本に求めることはあり得ないことではない。
 
先月には、フォーリン・ポリシー誌がランド研究所と共同で、日中紛争のシミュレーションを行っている。近年、力を付けた中国軍と自衛隊の間で事態がエスカレートしていき、アメリカも日本側を助けるものの、最終的には中国側が勝利するというシナリオを導きだした。記事の結論は、「尖閣のような、どのみち人も住めないような場所は、無視してしまうのが一番かもしれない」ということになっている(注。原文は”the best way to manage a crisis in a place like the Senkakus, which can’t support any inhabitants anyway, may be to simply ignore it”)。
 
尖閣諸島が日米安保の適用範囲だとしても、アメリカにしてみれば、事態がエスカレートして中国との全面的な紛争になるのは避けたいところである。アメリカが、日本の作戦をどこまで応援するのかは、その時の状況次第の面もあることを考慮しておく必要があるだろう。
 
安倍政権は昨年、集団的自衛権の行使を認める法律を成立させるなど、日米同盟を新たな次元へと引きあげた。今年はその同盟の強さが実際に試されることになるのかもしれない。

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