2016/10/31    16:00

「核心」になった習近平は、さらなる脅威?

中国共産党の第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が、4日間の日程を終えてこのほど閉会した。
 
会議の内容をまとめたコミュニケには、「習近平同志を核心とする党中央」という表現が盛り込まれている。「核心」という表現が使われた指導者は過去に3人しかおらず、習近平・国家主席が別格の権威をもつ指導者として自身を党全体に認めさせたことが分かる。習氏は、共産党や軍幹部の汚職摘発を大々的に展開するなどして権力の掌握に努めてきたが、その中央集権化が一層、進んだことが伺える。
 
問題は、「核心」となった習氏が何を目指すかだろう。
 
これまでに「核心」と呼ばれたのは、毛沢東、鄧小平、江沢民の3氏のみ。毛沢東は中華人民共和国の建国の父であり、鄧小平は改革開放政策を進めて経済発展を目指す方向へと国をかじ取りした。民主化を求める市民を軍が虐殺した「天安門事件」の後に登場した江沢民氏は、反日路線の愛国教育を通じて共産党の正統性を高め、高度成長にも成功した。
 
一方の習氏はこれまで、汚職摘発キャンペーンこそ熱心に続けてきたものの、中国の経済成長は鈍化しており、政府主導の景気対策も行き詰まっている。外交でも、オバマ米大統領に「新型大国関係」の樹立を働きかけたものの、南シナ海での人工島建設などでアメリカの警戒感を強めてしまった。
 
習氏が、2期10年の任期を3期まで延長して、さらに権力に居座るのではないかという観測も出ている。しかし、長く君臨するだけでは意味がない。「核心」と呼ばれるからには、自身の掲げる「中華民族の偉大なる復興」の実現に向けて、歴史に何らかの足跡を残そうとすることだろう。
 
経済や内政で成果があがらないのであれば、その標的が外に向くことは想像に難くない。日本や台湾といった周辺国は、日を追って高まる「中国の脅威」への備えをいっそう考えなければならない。

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