2016/02/10    11:37

長期金利がマイナス――日銀の“サプライズ・パーティー”はいつまで続く

日銀のマイナス金利導入の発表を受けて、定期預金の金利を引き下げる動きなどの影響が出ているが、9日の債券市場ではついに長期金利が初のマイナスに突入した。厳密には各種ローンの金利の目安となる、10年物の国債の金利のことだ。これが、一時マイナス0.035%と、初めて0%を下回った。
 
日銀の導入するマイナス金利は、銀行が日銀に預けるお金の金利をマイナスにするというもの。お金を預けて利息が付く代わりに、管理手数料を取られるというような発想だ。これによって、お金を置いておけなくなった銀行が貸し出しなどに回してお金が経済に回っていくことが期待されていた反面、安全な国債を買ってしのごうという動きになるのではないかという観測もあった。
 
今回、長期金利がマイナスになったのは、今のところ、まさに後者のシナリオになっているということだろう。いくら政府・日銀主導で、銀行が持っているお金を市場に流そうとしても、経済の先行きが不透明では大胆に貸し出すことは難しい。企業の側も、大胆に借り入れをするにはリスクがある。
 
ここで考えたいのは、アベノミクスの金融緩和をつくった「リフレ派」の考え方のベースは、「経済は期待によって動く」というものだったということだ。先行きがインフレになると人々が期待すれば投資や消費が活発化し、先行きがデフレだと思えば、それらはしぼむ。もっと平たく言えば、好景気が来ると思えば財布のひもは緩み、不況が来ると思えば財布のひもは固くなる。
 
結局のところ、安倍政権は消費増税で景気回復の芽を潰してしまい、「好景気がくるぞ」という期待をつくることができなかった。今では、たとえ首相が「一億総活躍」と音頭を取っても、日銀が誕生日パーティーのようにいくら「サプラーイズ♪」といくら言ってみても、先行きが暗いものは暗い。とても浮かれた気分にはなれないというのが、経済の鍵を握る国民の心理なのではないか。
 
アベノミクスの登場で世界的に広がったデフレ脱却への期待感は、もはや見る影もない。その「リフレ派」の主役として日銀副総裁に就いた岩田規久男氏には、『「不安」を「希望」に変える経済学』という著書があったが、まさにそれが必要とされていることは言うまでもない。

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