2014/12/27    13:00

専業主婦が支えた戦後 働く女性が増えたら、本当に国民は幸せなのか?

安倍晋三首相は成長戦略の一環として、「女性の活躍」を掲げており、女性管理職の割合を3割に引き上げるといった目標を打ち出しています。しかし、「女性の活躍」でスポットライトが当たるのは、キャリア女性だけでいいのでしょうか。夫の仕事を支え、子供の成長を見守る専業主婦は、“活躍”していないのでしょうか。
 
当サイトではこのほど、こうした疑問を、女性の論客のみなさんに提示していただきました(新着順)。 一連の記事が訴えているのは、家事も子育てもご近所づきあいもこなす主婦こそが、実は各家庭の大黒柱ではないかという論点でした。そしてそのことは、「女性の活躍」を「成長戦略」の文脈で語ることの不自然さを示しているとも言えます。
 

戦後のモーレツ社員を支えた主婦力

これまで働いていなかった女性が働くようになれば、確かにGDPは増えるでしょう。安倍政権の「女性の活躍」政策は、できるだけ多くの女性が働いて経済成長に貢献してほしいという狙いも見え隠れします。しかし、それだけでいいのでしょうか。
 
ご存知の通り、GDPに家事はカウントされません。でもだからといって、家事が重要ではないということにはなりません。家庭が安定してこそ、人間は仕事に専心して取り組むこともできるようになります。日本は戦後、「モーレツ社員」たちの働きによって、世界第2位の経済大国にまで上りつめました。しかし、企業戦士たちが経済を爆発的に成長させられた原動力の一つは、家庭を取り仕切る主婦の奮闘だったのではないでしょうか。
 
こうした点を踏まえずに、「女性が働けば経済が成長する」という発想で、偏った政策を推し進めれば、たとえGDPが増えて、経済が成長したように見えても、国民の幸福が増すとは限りません。
 

女性が働いてGDPが増えたら、国民は幸福なのか?

匿名の執筆者が書く、日経新聞の人気コラム「大機小機」にこの前、面白い記述がありましたので、ここで引用してみます。筆者の「山河」さんは、GDPの欠陥の一つとして「家事労働の価値が統計に含まれないこと」を挙げ、さらに次のように述べています。

家事労働は経済の視点では明らかに生産活動であるが、GDPには反映されていない。このため女性の労働参加が増えると見かけ上のGDPが増える現象が起きる。
 
例えば自宅で子育てをしていた女性が子どもを託児所に預け、自らは保母として働き始めると、家事労働の減少はGDPに反映されないが、保母としての労働は反映されるため、見かけ上はGDPが増加する。また、自宅での調理をやめて外食する人が増えた場合もGDPが増える。
 
このように家庭内での介護、育児、家事といった仕事を減らして病院や介護施設、託児所、外食産業などにシフトさせると、GDPの数値を押し上げる。しかし、人々の生活水準は家事労働と職場での労働の両方で支えられている。前者が減少した分だけ後者が増えるのなら、必ずしも本当の経済成長につながるわけではない。
(日経新聞 「大機小機 女性の労働参加とGDP」 2014/12/20)

いくら働く女性が増えてGDPがかさ上げされたところで、国民の生活が豊かになるとは限らないわけです。そうした意味で、働く女性ばかりがもてはやされ、主婦の肩身が狭くなるような風潮には、懸念をおぼえざるを得ません。
 
私がここで言いたいのは、働く女性を応援する政策に反対ということではありません。能力も意欲もあるのに、「女性であること」を理由に出世を妨げられている人材がいるなら、それは不公平でしょう。そして、働きたい女性の出産や育児の負担を減らすことも重要です。出生率の低下が、日本の将来に暗い影を落としていることを考えれば、育児のしやすい環境を整えることは、国を挙げて取り組むべき課題とも言えます。
 
大切なのは、働く女性も専業主婦も、それぞれが選んだ生き方の中で輝けるように、一人ひとりの女性の生き方の選択肢や自由度を広げるということではないでしょうか。そのためには、働く女性も専業主婦も尊重される、バランスの取れた政策が求められます。それこそが、GDPでは計れない、国民の幸福を増やすための道なのではないでしょうか。

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