2016/03/31    08:00

アルゼンチンとトヨタ――大統領が工場拡張の式典に出席

アルゼンチンにおけるトヨタの存在は重要である。クリスチーナ・フェルナンデス前大統領の政権下で輸出が減退して外貨の獲得が減少している中で、アルゼンチン・トヨタは南米へのアルゼンチン製のハイラックスの輸出が好調であり、外貨獲得の優良企業と評価された。そのお蔭で輸入制限が施行される中でアルゼンチン・トヨタは必要なパーツも問題なく輸入できていた。
 
昨年12月にマクリ大統領が誕生した時も、大統領はトヨタの重要性を重視して、同社の工場の拡張が完成した時のオープニングセレモニーに出席した。そして大統領の出席を伝える大統領官邸「カサ•ロサダ(Casa Rosada)」から3月4日付で次のような記事が広報された。
 

「政府の主要な務めはアルゼンチンの国民により良い機会と仕事をつくり出すことである」と述べたマクリ大統領は長年アルゼンチンに信頼を置いてくれた企業(トヨタ)に感謝の意を表した。また、「我々が日々、自らの才能と能力を発揮したお蔭で、彼ら(トヨタ)はこの国の可能性にかけ続けてくれた」と付け加えた。


 
マクリ大統領はそれまで12年間続いた反米路線から決別して欧米との関係復帰の為の軌道修正に努め、新生アルゼンチンを築こうとしている。その中で、外貨の獲得のため、輸出をさらに促進することは、彼が期待している重要政策のひとつである。
 
その期待に応えるべく、アルゼンチンが誇る優良外資企業のひとつ、トヨタがサラテ市にある工場拡張を祝う式典に大統領は出席した。クリスチーナ・フェルナンデス前大統領が出席するセレモニーでは派手さを好む彼女のために、どの工場でも、彼女の出席を歓迎するかのように工場全体に雷鳴が響きわたるような演出がされた。しかし、マクリ大統領の訪問は趣を異にし、日本文化を尊重するかのように全てが調和の中で式が進められるのを好んだという。
 
マクリ大統領は式典の挨拶の中で、「(トヨタが展開したことは)貧困をゼロにする道であり、この道からアルゼンチンの国民はより良い発展の機会をつくることになる」と述べた。さらに、自動車関係の組合SMATAのピグネリ会長にもトヨタが存続して来たことへの組合側からの協力にも大統領は感謝する意味で、「ピグネリさん、この会社がアルゼンチンに期待をかけ続けてくれていることにお祝いします。そして、企業(トヨタ)には工場を拡張したことをお祝いすると共に、長年我が国に信頼を寄せて戴き、今もそれを継続されていることに感謝します」と述べた。(「iProfesional」)。
 
そして出席した在アルゼンチン福島大使には、「アルゼンチンは世界と新しいステージに入りました」と伝え、円熟した、知性ある、生産性の高い関係を世界の全ての国と築きたいと述べた。さらに大使には、「日本がアルゼンチンに投資することを望んでいます」と伝え、3月31日にワシントンで核セキュリティー・サミットで安倍首相と会見をもつことも付け加えて要請した。
 
一方、トヨタの須藤副社長は、2008年の世界経済危機のあと最も重要は投資はアルゼンチンでの投資であったことを伝え、マクリ大統領の輸出に対する新しい取り組みの為の政策を迅速に実施に移したことに感謝した。また大統領が日程の中で、この訪問を入れたことに重ねて感謝の意を表した。
 
マクリ新大統領が誕生した昨年12月、トヨタはマクリ新政権になって自動車メーカーで2番目に投資を開始した企業であるという報道がなされた。1番目はフィアットで、6億5000万ドル(741億円)の投資だった。その次がトヨタの8億ドル(912億円)の投資であった。外貨不足に長年悩んで来たアルゼンチンで、マクリ新政権が必至に取り組まねばならないのは、外資の獲得である(「CRONISTA.COM」)。
 
その意味で輸出が好調なアルゼンチン・トヨタは外貨獲得に貢献しており、政府にとって最も重要な企業のひとつになっている。
 
1997年からアルゼンチンで生産を始めたトヨタである。今回工場を拡張した目的は、ラテンアメリカ市場向けに従来のハイラックスそして新型SW4の生産である。この工場拡張でこれまでの5000人の従業員に加えて1000人が加わることになる。マクリ大統領のスローガンのひとつは貧困者をゼロにすることである。その為には国民が仕事をもって収入を得ることである。トヨタはその意味でも新生アルゼンチンに貢献していることになる。

TOP NEWS

すでに10年服役。78歳。

2017/05/12  10:50

アルベルト・フジモリ元大統領の恩赦は実現するか

物事をどこから考え始めるか

2017/04/02  19:24

ぶつかり合う「幸福とは何か」――イギリスのEU離脱から

絶対的君主「スルタン」の誕生?!

2017/05/05  10:17

独裁体制を固めるトルコのエルドアン大統領

「学校を選ぶ自由」を認めるべき

2017/04/21  10:38

教育の自由

それでもまだまだ少数

2017/04/02  19:49

変わろうとする学校

ACCESS RANKING

3

スペイン発 ファッションの国際競争

ZARAのライバル、MANGOをご存知ですか?

4

補償金3億ドルを無償で韓国に渡した1965年

軍人遺族らが韓国政府をついに提訴!!「日本の補償金返して」

6

プーチンとネタニヤフの取り決め

ロシアとイスラエルの軍事衝突は回避できるか

8

アメリカの自動車王に学ぶ「経営に貫かれる奉仕

ヘンリー・フォードの経営思想

10

次世代の党、杉田水脈議員の国会質問が素晴らし

専業主婦は怠け者なのか?