2016/05/12    10:46

「パナマ文書」問題が生み出す国際的な徴税システムの恐ろしさ

パナマ・ペーパーに対する施策で一番やってはいけないのが、『国際的に税金を取り立てる仕組みを作ること』です。オフショア金融センターで資金を運用することがいかに倫理道徳に外れる恥ずべき行為であったとしても、これだけは絶対に許してはなりません。

主権者たる国民のコントロール下に置かなければならない徴税権を国際的な徴税システムに置き換えることは、主権を超える主権、国家を超える国家を生み出すことであり、各国の官僚機構が連携する国際的な官僚機構の誕生と、それに伴って個人の自由が完全に消滅することを意味します。

国際的な徴税システムを構築する動きはすでに始まっており、これらの動きは国際的なグラスルーツのネットワークによって警告されています。彼らが警告している国際的な徴税システムを構築しようとしている機関として、国際連合(UN)、欧州連合(EU)、経済開発協力機構(OECD)の三つが挙げられています。

日本はこのうちの二つ、国際連合と経済開発協力機構に加盟し、いずれの機関においても資金や人的資源を含めた資源を提供するなどして、重要な役割を果たしています。

日本では、国際連合やその他の国際的な機関の提言を盲信する傾向にあるとともに、昭和十五年に導入された簡素化された税金の徴収制度である源泉徴収制度によって、国民自体に納税者としての意識が次第に乏しくなったために、国会が財政をチェックする機能を果たしていないという現実があります。よって、倫理道徳に反する金持ちや企業に懲罰を与えるという感情的な議論のみで事態が進行してしまい、我々の大切な自由を失ってしまう恐れが十分にあるのです。

使い古した言葉かもしれませんが、金持ちから罰するように税金を取っても、我々が豊かになれる訳ではありません。むしろ、その税金こそが我々の首を絞めているのだということを知ることが大切なことなのです。

しかし、高すぎる税金と生産性の低い行政機関の問題は、もはや各国だけの問題ではなくなり、国際的な問題にまで発展しています。国際的な徴税システムの構築を目指す国際機関に対して、納税者が国際的な連携を強化して事態が進行することを食い止める必要が出てくるほど、情勢は悪化しているのです。

言わずもがなですが、これらの国際機関に対して各国が提供している資源は国民から徴収した税金を原資にしています。各国の国民からの税金によって運営されているこれらの国際機関が、国際的な徴税システムを構築することを目論むことで、各国の国民の自由を阻害することは到底許されるものではありません。

我々は、自国政府の動向を厳しく監視するのと同じようにこれらの国際機関の動向も厳しく監視し、自国民の自由を阻害し、利益にならない行動を起こした場合には国際的な協働によってこれを阻止する必要があります。

日本にも、国際的な協働を推進することができる日本税制改革協議会のような納税者団体や公会計研究所のようなシンクタンクが存在しています。私の戦略問題研究所もこれらの問題に取り組んでいきたいと思います。
 

(※ 筆者のFacebookポストから転載しました。)

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