2016/08/28    13:31

「銅メダルを逃したナダル。彼のプレーは金メダルだ」(スペイン紙)

リオ五輪で銅メダルを獲得した錦織がルール違反をしていることは日本では一切取り上げられていないと想像する。何しろ,日本のテニス界にとって偉業を成し遂げた彼がルール違反をしたことなど日本のメディアが国民からの非難を覚悟した上で取り上げる勇気などないはずだ。

そのルール違犯を犯したことについて以下に触れることにする。その前に対戦相手のラファ・ナダルについて少し言及する必要がある。

リオ五輪で銅メダルを獲得した錦織と対戦したラファ・ナダルは今回の大会に参加したことに、とても満足していると語っている。5月の全仏オープン参加途中で左手首を故障し、試合を続けることを辞退した。そして、故障回復のために英国ウインブルドンへの参加も辞退した。2カ月の間、まともな練習も出来ないままの状態でリオ五輪に臨んだのであった。
 
彼のリオ五輪出場はスペインのテニス界だけでなく、スペインオリンピック委員会もそれを強く望んでいた。彼だと確実にメダルが取れるという意味ではなく、彼はスペインのスポーツ界を代表する選手の一人なのである。その理由は、勿論、彼が世界のテニス界を代表するトップ選手のひとりであるということもあるが、彼はいつもフェアープレーで試合に臨むことが高く評価されているからだ。

彼はマスコミでも良く注目されるが、人を非難したり中傷したりすることが一切ないことでも良く知られている。そのようなことから、スペインのスポーツ界では彼は常に高く評価されている。前回のロンドン大会では同じくスポーツ界を代表するバスケットのパウ・ガソルがスペイン選手団の旗手を務めたが、今回はラファ・ナダルが旗手を務めた。
 
故障で2カ月間まもとな練習も出来ない状態でリオ五輪に臨んだナダルは、ダブルスでマーク・ロペスとペアを組んで金メダルを獲得した。好調な滑り出しであったが、練習不足と体調が万全でないということから動きに鈍さが徐々に表れて来ていた。準決勝でアルゼンチンのポトゥロに敗れた時に、彼は「残っていた最後の一滴のエネルギーまで使い果たした」と語った(「El Espanol」)。

そして充分に休養も取る間も無く、錦織との銅メダルをかけた試合に臨んだのである。第1セットは錦織が勝利、第2セットはナダルに軍配があがった。相性の良い錦織を追い上げるかに見えたが、第3セットが始まる前に錦織が控え室に駈け込んだのである。

国際テニス協会(ITF)規定では各セット終了時に最高2分のブレークタイムまで認められている。また、この2分間を更に延長する希望があれば、それはトーナメントが始まる前に最大10分間のブレークタイムの設定を謳うことが出来るとしている。しかし、それは3セット試合の場合は第2セットが終了した時点で適用される。しかし、あくまで大会が開催される前にそれが公に決定されること、そしてその場合もブレークタイムは最高10分までであるとされている。

この規定から判断すると、今回の錦織が取ったブレークタイムはルール違反ということになる。何故なら大会前に10分のブレークタイムは決められておらず、しかも錦織は12分のブレークタイムを取っているといるからである。医師の診断を仰ぐ場合でも、最高3分のブレークタイムしか認められていない。
 
錦織がなかなかグランドに戻って来ないのを見たナダルはベルナデス主審に尋ねても「彼が控え室に行くことには何も言えない」と答えただけであったという。しかも、彼は錦織が控え室に駆け込んだ時間も計っていなかった。彼の答えを不服としたナダルは「仮に時間がないとしても私はコカコーラを飲みに行って来るが、どうか」(「MARCA」)と質問したが、主審からは返事はなかったという。

ちなみに、ベルナルデス主審は男子プロテニス協会(ATP)の試合では、ナダルの出場する試合には審判を務めないことになっている。ナダルはこれまでも彼の審判裁きに不満が募り彼の審判を拒否し、それをATPは認めているからだ。
 
錦織との試合が終了したあとのナダルは、「試合は大変苦戦した。11-12分のブレークタイムは私には助けとならなかった。あれが正当だと証明されたかって? 証明されていない。男子プロテニス協会(ATP)の方が国際テニス連盟(ITF)よりもよく組織されている」と語り、「肉体的にも精神的にももうぺしゃんこだ」と疲労困憊した状態にあることを伝えた。しかし、錦織に敗けたとはいえ、彼が今回取った作戦? への批判は一切ナダルは口にしなかった。
 
スペインを代表するスポーツ紙のひとつ「AS」のヘスス・ミンゲス記者は紙面のタイトルに「ナダル、また勇敢だった。銅メダルは逃したが、彼のプレーは金メダルだ」と題して報じた。

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