2016/02/27    08:00

イチロー、最後の美学

イチローが来年のシーズンもまた、メジャーのグラウンドに帰ってくると断言できる人は、もはや誰もいない。42歳、25年目のシーズン。残り65本に迫ったメジャー3000本安打の記念碑を今年、打ち建てれば、自然に、フィナーレの花道ができる。
 
昨シーズンの最終戦では、念願のメジャーのマウンドに立ち、1イニングを投げた。この時も、引退の演出ではないかという噂が立ったが、所属するマーリンズは再契約した。
 
数々のメジャー記録をつくり、メジャーだけで3000本近い安打を積み重ねた。誰も殿堂入りを疑わない。ワールド・シリーズ勝者のリングを手にしていないことを除けば、これ以上、極めようのないキャリアと言える。
 
だからこそ、いつイチローが身を引くのかに、視線が注がれる。野球「人生」と言うように、プロ生活を人間の一生に例えるなら、早くも本人の周りでは“葬式”の準備が進んでいることになる。
 
しかし、当の本人は、ここで引き下がるつもりはないらしい。23日のキャンプ入りには「人生は42歳から始まるんやて」と書かれたTシャツを着て登場した。終わりどころか、ここからまた、野球人生の仕切り直しということか。
 
オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンと昨年12月に会食した際には、「(背番号と同じ)51歳までやりたい」と、宣言したのだという。
 
本気なのか、自分を鼓舞するためなのか、周囲をあざむくためなのか。傍からは知りようがない。しかし、プレーの姿勢から健康管理まで、一つひとつに哲学を持って取り組んできた彼のことである。きっとそこには、イチローなりの美学があるのだろう。
 
プロ選手の引退には、色々なドラマがある。阪神などでプレーしたスターの新庄剛志のように、余力を残して辞める例もあれば、元三冠王の松中信彦のように、あくまでも最後の瞬間まで現役でプレーすることにこだわることもある。
 
積み上げたヒットの数にとどまらず、淡々と日々の準備とルーティンを重ねることが、偉大な成果への道であることをイチローは示してくれた。それは、野球だけではなく、プロとしての手本でもある。そんなイチローがいかに自らの身を処すのか。それは彼が私たちに見せてくれる、「最後の美学」ということになる。

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