By. Julia. Y
2015/11/24    14:00

複言語主義を考える――第二外国語を学ぶ意味

私は今、ヨーロッパにおける複言語主義と照らし合わせ、日本において、特に高等教育の場において第二外国語を学ぶ意義について卒業論文を書いています。

Council of Europe(欧州評議会)によると、「複言語主義」とは個人レベルでの複言語の並存状態を言い、
その個人レベルの言語多様性を尊重・促進していく姿勢のことを言います。それに対して、「多言語主義」とはあくまで1つの地理的な領域に1つ以上の言語が存在することをいい、その社会レベルの言語多様性を尊重・促進していくということです。言葉は似ていますが、この2つの語は意味が異なる概念です。ヨーロッパの国々においては、複言語主義という理念をもとに言語教育が行われています。

まさしくさまざまな言語がいりまじり、数言語を操る人の多いヨーロッパを表したような思想です。
ただ、これはヨーロッパのみならず日本においても無関係ではないように思います。それには実際的な理由と教養としての理由があると私は考えています。

実際的な理由とは、深刻な少子高齢化により外国人労働者を受け入れる可能性があるというものと、もう1つは多くの外国人観光客が日本を訪れるというものです。

もう少し労働環境やさまざまな福祉が変わらなければ、今の日本人の現役世代だけでは日本を支えることができないところまで少子高齢化は進んでおり、現在の政治や日本人の意識を変えようとはせず、なおかつ移民受け入れには反対という人間がいるならそれは非常に無責任だと私は思います。もちろん、無制限に移民を受け入れれば良いというわけではなく、そこでなんらかの法的な制限は必要なのだろうと考えます。

もし日本が移民を受け入れる場合、ほとんどはアジアの国々からやって来るだろうと考えられます。そもそも国際共通語である英語は母語話者がそれほど多くなく、世界での英語使用者のほとんどは第二言語や外国語として英語でコミュニケーションを取っています。日本にやって来た外国人と話す際、たとえ使う言語が日本語であろうと英語であろうと、彼らの母語の知識を受け入れる側の日本人が少しでも知っていれば、その母語をベースにして彼らが日本語もしくは英語を話しているのだと考慮することができます。そういった意識は母語が違う者同士のスムーズなコミュニケーションにとって重要です。

同じことは観光においてもいえます。この場合も、日本にやってくる外国人観光客に英語母語話者はそれほどおらず、英語も含めさまざまな言語での対応が求められる場所があります。すでに中国語が必要とされる場所は多く、これから日本を訪れる外国人観光客が増えるのならますます多言語での対応をしなくてはなりません。

そして、第二外国語を学ぶ教養としての意味には、自らの母語と英語の二項対立の相対化があると私は考えています。日本において外国語というとそれはまず英語を指すと思いますが、さきほど述べたように英語母語話者は多くはなく、世界のほとんどの人間はその地域や民族の言語を母語とするか、英語も含めた多言語話者です。ほとんどの日本人にとっての母語である日本語と英語が分かればそれで世界のことは理解できる、と思うならそれこそ視野が狭いと私は思います。

多くの日本人にとって英語以外の言語に触れることのできる場所は限られており、だいたいの場合は大学の一般教養であるかと思います。しかし、外国語教育がほぼ英語教育と同義である国や地域はほとんどなく、一般的には中等教育から英語以外の言語を学ぶ機会があるのが普通となっています。日本の場合、高等教育である大学にも第二外国語がないところがあり、これは大学設置基準に掲げられているような、教養を積むという大学の意味が完全に失われています。

私は現在ドイツ語を専攻していますが、英語と同じゲルマン言語であるせいかまだまだ他の言語に対する知識が乏しいと痛感しています。オランダ語とスペイン語を学習したことはあるのですが、やはりそれでは私はまだまだ欧米的なものの見方しかしていないと思っています。視野を広げて新たな発想を自分の中に取り込むためにも、これからも欧米のみならずアジアや中東、アフリカなどでのさまざまな言語に触れていきたいと思います。

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