2017/03/17    10:13

解散総選挙という「シャンシャンパーティー」

衆議院の解散をめぐる憶測が、ふたたびマスコミをにぎわしている。

小池百合子・東京都知事の率いるグループが7月の都議選で躍進すれば、国政への影響も避けられず、そのあとに衆院選ということになれば、自民党は大幅に議席を減らすことが見込まれる。

小池氏が勢力を確立する前に手を打つべく、都議選と同時に衆院選を行ってしまうのか、あるいはその前に、今年度予算が成立した4月に解散してしまうのか。さまざまな観測が飛び交っている。

いずれにせよ、解散の話題が出てきているのは、安倍政権が支持率が高い今のうちに選挙を行い、権力をさらに安定したものにしたいからである。

実際のところ、安倍政権ほど安泰に見える政権もない。自民党の総裁任期は、「2期6年」から「3期9年」へと延長が認められ、これで安倍首相が、東京オリンピックを越えて、2021年まで首相を務める可能性も出てきた。

内閣支持率は安定して高い水準をキープしており、6割近い数字の調査もある。さらに面白いのは、「首相にふさわしい人物は誰か」という調査。産経新聞の調べでは、安倍首相が34.5%のトップで、2位の小泉進次郎氏や3位の石破茂氏をトリプルスコアで引き離している。

「ポスト安倍」をうかがう有力な人物も不在の中で、安倍首相は長期政権の樹立に向けて、着実に歩みを進めている。次の解散総選挙も、それに向けたひとつの布石としたいところだろう。

だが、安倍政権が自分のペースで解散の時期を組み立て、選挙で勝ちを積み重ねれば積み重ねるほど、解散総選挙はこの国や国民にとって、意味のないものになっていく。

もはや現在の国政の状況では、安倍政権は「いまなら勝てる」と確信できるタイミングでほぼ自由に解散に打って出て、実際に勝ってみせることができる。それは、「国民の信を得た」と、首相が”どや顔”で言い張るためのセレモニーである。そうしたシャンシャンパーティーを繰り返すだけの政治に、意味はあるのだろうか。

このような状況から日本が抜け出す時が来るとすれば、それは、政治の議論の物差しや軸が、まるで地殻変動のように変化する時だろう。現在の国会の議論は、与党の自民党も大きな政府なら、野党も負けじと大きな政府を主張している。選挙対策のために、どれだけ福祉を厚くしてお金をばら撒けるかが、政治の主な争点になっている。結局のところ、与党も野党もあまり変わらないように見える。

「政府はどこまで、経済や国民の生活に関与すべきか」という本質的な物差しは、この国の国政には存在していない。

なにか違いがあるとすれば、民進党をトップとする野党側については、政権交代の苦い記憶があることだろう。中国や北朝鮮の脅威が日増しに高まるなかで、もはや外交の枠組みをめちゃくちゃにしてしまうような野党には、国のかじ取りを任せようがない。それなら、自民党のほうがまだ安心できるということになる。

だからもし、現在の自民党に対抗できて、国会の議論を実りのあるものにできる政党が登場するとすれば、その条件は、きちんとした国防や外交の方針を示すことができ、なおかつ小さな政府の路線で政策を主張するということになる。

そうした骨のある野党が現れるまでは、しばらく現在の「一強多弱」が続くのかもしれない。それは自民党にとっては良いことかもしれないが、日本にとって良いことかどうかは分からない。
(著者のブログより転載しました。)

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