2016/01/08    08:00

米誌「沖縄の反基地運動の背後にチャイナマネーの可能性」

沖縄では反基地運動が盛り上がりを見せており、翁長雄志知事はその神輿に乗って、政府とも法廷闘争を繰り広げている。反基地運動には、中国からお金が流れ込んでいるとまことしやかに言われるが、メインストリームのメディアでは表だって語られることがない。

そうした中で、昨年末に米ウェブメディア「デイリー・ビースト」に載った記事の中で、この問題についての記述があった。筆の主は、中国共産党の独裁体制を批判する保守派の代表的な論客であるゴードン・チャン氏だ。記事は、中国が沖縄の領有を目指していることを警告するもので、次のようなくだりがある。

戦わずして勝とうと、中国は日本の統治を揺るがすために最善を尽くしている。マイアミ大学政治学部のジューン・テウフェル・ドレイヤー教授が「デイリー・ビースト」に語ったところによると、中国政府は「時間を追って静かにこの問題を追いかけており」、沖縄にある中国人の学生団体にお金を流している。中国や国際関係学の授業を教えているドレイヤー氏は、「資金の一部は、米軍基地に反対する沖縄の人々の支援に流れているかもしれない」と述べている。

これまでにも、日本が沖縄を領有することの正当性を問う論説が、中国の国営メディアにたびたび登場している。沖縄から米軍を追い出したいという中国の意図は明らかだろう。南シナ海にしても東シナ海にしても、中国は「歴史的に中国のもの」という主張で、領土を取っていってしまおうとしている。一見して、国際法では争う次元にはないほど荒唐無稽にも見えるが、そうした主張をあくまで守る中国側には、一つの計算があるようにも見える。

先に紹介した記事の中では、「歴史的に中国のもの」というロジックについて、米海軍大学のトシ・ヨシハラ教授が「こうした世界観は、潜在的に全てが競争の対象になり得るもの(up for grabs)だと示唆している」とコメントしている。

つまり、中国政府は力が物を言う世界観に立っているということだ。そして、長期的な目で見て、中国が力をつける一方で、日米が弱っていくということであれば、ただ待っていさえすればいいということになる。中国にとって、国力がついていけば、沖縄を手に入れるのは時間の問題ということになる。待てば待つほど、時は中国を利する。その時に、「up for grab」は「取り放題」という意味になる。

こうしたことを考える時に、忘れてはいけないのは、日米の関係を密にしておくということと、そして何より、経済成長を目指すという道だろう。経済力がなければ、国を守ることさえもおぼつかなくなる。バブルの崩壊以降、日本ではすっかり低成長が当たり前のことと言われ、「坂を下っていけばいい」という考え方さえも生まれている。しかし、経済を活発にして、国を豊かにしていくことを考えなければ、それは滅びの道でもある。

そして、昨今にわかに盛り上がりを見せている「沖縄独立論」については、直接的に中国の工作が関わっているかどうかにかかわらず、その意図するところは中国による沖縄支配を助けることに他ならない。それは結果的に、中国が日本を切り崩し、沖縄に影響力を及ぼすというシナリオを援助することになる。「侵略」という言葉を聞けば、私たちは戦車や戦闘機が乗り込んで行く様子をイメージする。しかし、「侵略」は戦いを伴うことなく、すでに静かに進行している。本気の「侵略」は、誰もそれを「侵略」とは呼ばないものだ。

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