2015/12/19    08:00

尖閣に届くミサイルをロシアから買う中国

11月にロシアは地対空ミサイルシステムS-400「トリウームフ」を中国に1年以内か1年半先に提供することを公にした。これが意味するものは中国が尖閣諸島へミサイル攻撃が可能になるということだ。しかも、このミサイルシステムがコントロール出来る領空への侵入が日本が次期戦闘機として導入する米国の第5世代F-35ステルス戦闘機をもってしても容易ではなくなるという。
 
4月16日付のロシア電子紙『Sputnik』は、国営の兵器企業ロソボロネクスポート社のイサイキン社長が4月13日にS-400の中国への販売をメディアに伝えた、と報じた。なお、販売契約は昨年9月に交されていたと報じ、6大隊分で、販売金額は30億ドル(3,600億円)だと指摘した。
 
ロシアがミサイル開発に力を入れて来た背景を今年3月にロシア電子紙『R.T.』が説明している。それによると、そもそも、米国とロシアの海洋における異なった戦略があったという。

つまり、米国は西太平洋における影響力の拡大の手段として航空母艦に賭け、ロシアは航空母艦などに容易に攻撃が出来る戦闘機や長距離ミサイルなどを選んだ、というのだ。しかも、航空母艦1隻の建造費は平均して10億ドル(1200億円)はかかり、同じ費用で敵の軍艦を攻撃出来る長距離ミサイルは1発100万ドル(1億2000万円)だという。ロシアは海上で移動する敵の軍艦を攻撃出来るミサイルを数千発用意出来ることになる。しかも、S-400の場合はその生産費は5億ドル(600億円)で、戦闘機F-35は10億ドル(1200億円)。その上、S-400の前に生産費が2倍するF-35の性能は半減すると言われているのだ。 

2007年に誕生したS-400は多くの国が関心を示し、米国と特別な関係を維持しているサウジアラビアまでもが購入を希望しているという。ロシアは先ず国内での配備を優先し、2011年頃から輸出に目を向けたという。最初の販売先を中国に決めたという背景は、ロシアと中国の間で戦略的に高いレベルの関係を維持しているからだと、イサイキン社長の見解を上述『Sputnik』は伝えた。

唯一、この販売契約で懸念されたのは4月13日付の同紙が伝えているが、中国がコピーする恐れがあるということだ、と指摘した。その具体例は、中国がコピーした地対空ミサイルHQ-9に見ることが出来る。これはロシアのS-300を真似たものだ。しかし、ロシアは今回コピーされることよりも、販売金額とその後のメイテナンスでのパーツの需要などに重要性を置くことに決めて契約に結び付けたそうだ。
 
中国が先ず最初に配備する場所としてブログ『Podermilitar』は、台湾の対岸そして次に日本、韓国、ベトナムを睨んだものになると言及した。
 
それを更に詳しく報じているのが米紙『Defens News』である。それによると、既に配備されているS-300では、300kmの射程距離の為に、台湾の北西地方沿岸までしか攻撃出来ない。S-400になると400kmの射程距離があり台湾全土への攻撃が可能となる。同様に、インドのニューデリー、カルカッタ、ベトナムのハノイ、韓国のソウルまで射程距離に入るという。更に、同紙は、日本がコントロールしている尖閣諸島について、中国は支配は出来ないが、その領空までS-400は届き、中国による空からの支配が可能となると指摘した。また、東シナ海で中国が主張する防空識別圏(ADIZ)が、これによって保護されることになる〉と報じて、中国の支配力が高まることを伝えた。
 
S-400は400kmの射程距離、高度31,000メートルまで攻撃可能で、通常8つの発射塔を備えており、敵の射程距離3,500kmで秒速4.8kmまでのミサイルであれば破壊可能とされている。そして、逆にS-400を破壊するには、冒頭で言及したように米国の第5世代のステルス戦闘機F-35でも、S-400が備えている高度な能力を発揮するレーダーと3種類の用途の異なったミサイルを備えている為に、S-400を欺くことをは非常に難しいと、上述『R.T.』は言及した。そして、これがまた中国が構築しつつあるA2/AD(接近阻止•領域拒否)の一翼を担うことにもなるのだとも指摘した。
 
日本が次期戦闘機として導入が決められているF-35は、中国がS-400を配備すれば、F-35の能力は古い世代の戦闘機になってしまう可能性は充分にある。

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