2015/07/25    18:22

報ステ、News23による、粘り強い「安保反対」へのエールをご覧ください

安全保障関連法案が参院で審議入りするのを控え、国会前では24日、反対派の団体らが抗議活動を行った。同日夜のニュース番組では、日本テレビの「NEWS ZERO」、テレビ朝日の「報道ステーション」、TBSの「News23」がその映像を放映した。

「NEWS ZERO」は27日に参議院本会議に安倍晋三首相が出席し、法案の趣旨説明などを行うと伝えた後で、「強行採決 絶対反対」などと声を上げる反対派の映像を流した。このニュースは40秒ほどの短い扱いにとどまった。
 

デモ隊を6回映した報ステ

一方で、この日の「報道ステーション」は、デモの様子を繰り返し画面に映し、この問題へのこだわりを示した。まず、参院の選挙制度改革や、創価学会員らに安保法案への反対意見がくすぶっていることを紹介するニュースの冒頭。小川彩佳キャスターが「ちょっとこちら、午後8時ごろの映像をご覧ください」と切り出し、国会前で「安倍政権 NO!!」などと書かれたカードを参加者が掲げている様子を放映した。

次に、国会運営をめぐる与野党の動きを紹介した後で、映像は再び国会前に戻り、参加者の女性とデモに参加した創価学会員のコメントを紹介した。さらには、公明党の山口那津男代表らのコメントを挟んだ上で、映像の終わりには再び国会前デモの空撮を放映。スタジオで片山善博・元総務大臣がコメントする間にも、デモ隊が抗議活動を行う様子を流した。

さらに「ダメ押し」と言わんばかりに、次のニュースでは冒頭で解散後のデモ隊の一部が残っている国会前のライブ映像を流した。そこから、古舘伊知郎キャスターが「画面切り替えましょう」と言って、五輪カラーにライトアップされた都庁の様子が映り、東京オリンピックのニュースが始まる。CMへのつなぎの箇所も合わせれば、この日の「報道ステーション」では、デモの様子が6回も画面に映ったことになる。
 

膳場キャスター「市民は等身大の自分たちの言葉で活動」

この日の夜のニュースでは、TBSの「News23」でも、国会前のデモ隊に共鳴するような演出が目立った。こちらでは、「九条の会」の活動などにも関わった思想家の鶴見俊輔氏が死去したニュースの中で、デモ隊への言及があった。

鶴見氏の活動をまとめたVTRの後で、スタジオではゲストで哲学者の萱野稔人氏が、なぜ日本が先の戦争に突き進んだのかという問いが鶴見氏の思索の根底にあったと指摘し、「大衆一人ひとりが自分の言葉で考えなければいけない。国家に扇動されたり、社会の動きに扇動されずに、自分の言葉で考えていくことの重要性っていうことに、ずっと気が付いていましたね」とコメント。

これを受けた膳場貴子キャスターが、「『自分の言葉で考える』ということで、ちょっとこちらをご覧いただきたいんですけれども」と切り出して、映像は国会前のデモの様子に切り替わった。その上で、膳場キャスターは次のように述べて、デモ隊の活動を礼讃している。

市民たちが、自分たちの言葉で考えるということを、ここの国会周辺のデモの現場でもやっていますし、今回の安保法制に対して、各地の街角で抗議を上げている人たち、本当にこれまでになく、等身大の自分たちの言葉で活動してらっしゃるんですよね。これもね、もし鶴見さんが何か感想をおっしゃるとしたら、どうご覧になっていたのかなと考えてしまいますね。

「自分たちの言葉で考えている」という表現もさることながら、「活動してらっしゃる」という尊敬語にも、デモ隊への番組の敬意が込められているように感じられる。一方で、このニュースやスタジオでの議論では、安保法案の背景となっている安全保障をめぐる問題には言及がない。日本を取り巻く安全保障の問題を議論せずに「安保反対」を叫ぶことが、果たして「自分たちの言葉で考えている」ことになるのかという点について、疑問が残る構成となった。

なお、この日には「頑張れ日本!全国行動委員会」が呼びかけた、安保法案に賛成するデモ活動も首相官邸前で行われたが、この様子を報じる夜のニュース番組はなかった。安保法案に関連するデモ活動については、25日の朝刊で朝日、毎日、東京の各紙が反対のデモを取り上げたが、賛成集会については朝日は1段落、東京は1文を割き、毎日の記事には記載がなかった。

「News23」での、関連箇所のやり取りは次の通り。

(膳場貴子)
「戦後の思想界をリードして、多くの人に影響を与えてきた鶴見さん。哲学者として、萱野さんの大先輩でもありますけれども、萱野さんにとって鶴見さんってどういう存在でしたか」

(萱野稔人)
「私も大きな影響を受けましたね。特にですね、鶴見さんは社会との緊張関係の中で哲学をするという、そういうスタイルをずーっと貫いたんですよね。社会の問題を自分の問題として引き受けて、その中で自分で考えていくということをずーっと貫いていった。その中でもですね、鶴見さんのいちばん中心的な問題にあったのは、なぜ日本が戦争に突き進んでいったのか、でその時に大衆も一緒にですね、戦争に突き進んでいったのかっていうことをずっと考えていたんですよね。それで、大衆一人ひとりが自分の言葉で考えなければいけない。国家に扇動されたり、社会の動きに扇動されずに、自分の言葉で考えていくことの重要性っていうことに、ずっと気が付いていましたね」

(膳場貴子)
「『自分の言葉で考える』ということで、ちょっとこちらをご覧いただきたいんですけれども。これ、今夜の国会周辺の様子です。市民たちが、自分たちの言葉で考えるということを、ここの国会周辺のデモの現場でもやっていますし、今回の安保法制に対して、各地の街角で抗議を上げている人たち、本当にこれまでになく、等身大の自分たちの言葉で活動してらっしゃるんですよね。これもね、もし鶴見さんが何か感想をおっしゃるとしたら、どうご覧になっていたのかなと考えてしまいますね」

(萱野稔人)
「そうですね。本当、そうですね。今回の集団的自衛権を含む安保法制に関しては、違憲の可能性もあるというそういう疑いが指摘されていますよね。それを多数決で本当に決めていいのかっていう疑いが多くの国民、そこから抜け出せないと思うんですよ。で、今回、衆院から参院にこの法案が移されたわけですけれども、もし参院でですね、議論が尽くされずに、まあ尽くされなくてもこのまま成立する可能性はあるわけですけれども、尽くされなければ、よりその疑念は広がりますし、国民の、この自衛隊の活動を受け入れる、今後活動の範囲が広がっていく中で、それを受け入れることができなくなる。で、言葉によって自衛隊の問題、あるいは武力の問題、安全保障の問題を、考えること自体を奪ってしまうことになるのではないか。おそらく、考える機会を奪ってしまう、自分の言葉で考えることを抑圧するっていうことが、鶴見さんがいちばん考えてきた、対抗、それに対応、対立しようとしていた問題なんじゃないかと思いますよね」

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