2016/02/25    08:00

民主、維新、合流へ――「立憲」の名が泣かないか

いよいよ民主党が出直すようだ。来月には維新の党を吸収合併し、新党を発足させる方向のようだ。名前の候補として、「立憲民主党」という案も出ている。
 
安倍晋三首相が憲法解釈を変更することによって、集団的自衛権の行使を容認する法案を通した。それに対して、「立憲主義の破壊」といった批判が、市民活動家らの間から出されている。彼らの後押しを受けながら、衆参同日選とも言われる夏の選挙で「反自民」の勢力を拡大したいところだろう。
 
だが、表向き新たに船出するかのような体裁を取ったところで、民主党の岡田克也代表がそのまま代表を名乗る“新党”がどれだけの求心力を持てるだろうか。顔ぶれはほとんどこれまでの民主党と変わらない。政権にある間に、日本を危機に陥れたイメージもそのまま。合併相手の維新の党も、一時は「第三極」ブームの主役だったが、分裂と内乱を繰り返してかつての勢いはない。
 
さらに気になるのは、「立憲民主党」という党名の案だ。本来なら憲法は統治権力を縛るものであり、解釈改憲に突き進んだ安倍首相に憲法の遵守を求めなければならないという理屈は分かる。近代の立憲主義は確かに、国家権力を憲法によって規制し、個人の自由や権利を専制から守ろうというものではあった。しかし、その一方で忘れてはならないのは、その当時の「立憲」の動きはまた、「一から憲法を創ろう」という積極的な動きでもあったことだろう。
 
もし新党が「立憲民主党」を名乗るのであれば、ぜひとも現代に必要な憲法がいかなるものなのか、憲法を新たに創り直すくらいの強い意欲で議論する政党であってほしい。そうであってこそ、自民党による憲法改正の動きや、憲法草案に対する議論も深まることだろう。
 
しかし、もし新党が現行の憲法を守ることだけに汲々として、「憲法9条で平和が守れる」と念仏のように唱える市民運動の代弁者としての役割しか果たさないのだとしたら、夏の選挙が終わるころには「新党」もすでに過去の遺物となっていることだろう。そして現段階では、その可能性が高いように思う。

そもそも、国を守る当然の権利さえも無視している現在の憲法を、一字一句守ることこそが“立憲主義”だと言うなら、そうした議論は御免こうむりたい。「アベ政治」を批判するのも結構だが、国民の権利を大切にしたいのであれば、国防がままならない憲法体制によって、自らの生命を守る国民の権利がないがしろにされていることにも、目を向けるのが公平な議論ではないだろうか。
 
「立憲民主党」を名乗るのであれば、それに恥じないよう、まっとうに国家観を論じる政党であることが求められる。そして国家観を論じることこそ、国政を預かる国会議員の重要な仕事でもある。

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