2016/02/16    13:55

「文字通り」解釈できる憲法が、日本にもあれば――アメリカ最高裁の判事の死去から

選挙シーズン真っ最中のアメリカで、政争の種がまた一つ増えた。連邦最高裁のアニントン・スカリア氏が、息を引き取ったのだ。保守派の判事として知られるスカリア氏の後任をめぐって、早くもホワイトハウスと議会共和党との駆け引きが始まっており、13日に行われた共和党候補による討論会でも話題になった。

スカリア氏の死去の前まで、最高裁は保守派の判事が4人に対して、リベラル派の判事は4人、一人が中間派という構図になっていた。民主党の側としてはリベラル派の判事を後任に指名して、最高裁の構図を自党に有利な方向に持っていきたいところだが、議会を制する共和党は黙っていない。後任の決定を、次の大統領が決まるまで引き延ばしたい構えだ。憲法の解釈に判断をくだす最高裁の判事の構成は、人種問題や同性婚をはじめとして、社会問題の論争に大きな影響を与えるため、両党ともに綱の引き合いが激しくなる。

亡くなったスカリア判事については、思想の左右を問わず、憲法の理論に大きな貢献を残したと称える声が相次いでいる。特に保守系のメディアは、スカリア判事が憲法をその字句の通りに解釈するように努め、その上で、「建国の父たち」の立法趣旨を考えて判断をくだすという哲学を持っていたと評価する意見が目に付く。

さて、日本。この国では憲法を字義どおりに解釈しようとすれば、国を守るための自衛隊さえも憲法違反になりかねない。実際に、憲法学者の多数が、自衛隊は違憲の疑いがあると考えているのだという。憲法をつくった人々の考え方を斟酌しようとすれば、「日本は侵略戦争を行ってアジアの人々(ならびに、欧米の植民地勢力)に迷惑をかけた悪人の国」(だから武器を持ってはいけない)ということになるのだろう。字義どおりに解釈すればするほど、国防が疎かになり、国民は自尊心を持てないという、(外国にとって)素晴らしい憲法をいただいているのが戦後の日本だと言える。

字義どおりに解釈することができる国柄に合った憲法を、日本はもう一度、つくり直す必要がある。そして、アメリカ人が憲法を通じて、「建国の父たち」の思想を忖度しようとするのだとすれば、日本の憲法もまた、それを通じて、この国を創った人々(いや、神々と言った方がいいのかもしれない)の考えに思いを馳せられるようなものであることが、望ましいと言えるのだろう。

それは最後にたどりつく極めて遠大なゴールかもしれないが、まずは国を守ることくらい、憲法違反を疑われずにできるようにすることが、第一歩だろう。この夏の選挙の持つ意味も、そこにある。

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