2016/04/16    08:00

大丈夫。まだまだマスコミも日教組も健在だ――18歳、19歳の世論調査から

実に、「朝日らしい」世論調査だと思った。
 
8日付の朝日新聞は一面トップで、18歳、19歳を対象にした世論調査の結果を報じた。夏の参院選から18歳以上に選挙権が解禁されるため、新有権者の世論動向を探ったものだ。とても有益な調査だと思う。
 
内容について見ていくと、いくつか面白いことが分かる。ほとんど整理していない頭のまま、ざっとまとめてみる。
 
まずは選挙権年齢の引き下げにともなって、飲酒や喫煙ができるようになったり、法律で成人と認められる年齢を引き下げようという動きがあるが、これについては反対がかなりの率に上った。飲酒は、35-60、喫煙は15-80、成人年齢は27-70で、賛成が少数派になっている。
 
その一方で、少年法が適用される年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げることについては、賛成が71%で、反対の26を大幅に上回っている。社会の秩序を維持することについて、若い世代も意識を持っていることが伺える。
 
一方で興味深いのは、政治的に論争がある分野だ。調査によれば、収入などの格差が「行き過ぎている」と感じている人は59%に上り、「このままにしておいてもよい範囲」の33%を圧倒した。そして、その理由は「社会の仕組みによる面が大きい」と答えた人が59%で、今の社会は「努力しても報われない」と考えている割合(56%)とも符合している。
 
調査によれば、現代の18歳、19歳の多くが、社会の仕組みが行き過ぎた格差を固定化してしまっていると感じているようだ。
 
しかし、ここで一つ疑問がある。「行き過ぎ」というのは、「度を超している」という意味で、その「度」がどのラインなのか分からなければ、本来は判断がつかないはずの話である。親が社会で格闘する姿を間近で見ていたとしても、18歳、19歳の多くは、まだ高校や大学に通っているはずで、格差が「行き過ぎ」かどうかを判断できるだけの経験は、まだ持っていないと推測できる。
 
だからこの調査が言うように、18歳、19歳の多くが「努力が報われない社会だ」と思っているのだとしたら、それはおおむね“先入観”の可能性がある。これは危険なことである。社会に出る前に、「努力は報われないものだ」と若者が最初から思っているのなら、熱心に努力をしようとする人は彼らの中からどれだけ生まれるだろうか。
 
そうした“先入観”を植え付けてしまっているのであれば、「この社会は救いようがない」と熱心に議論している大人たちの責任に跳ね返ってくる。「どうすれば、努力すれば報われる社会が実現するか」を前向きな言葉で議論しなければ、若い人々に与える影響が大きいということである。特に、若い人々への影響ということで言えば、マスコミや教師の影響が大きいだろう。
 
この格差の問題もそうだが、憲法をめぐる問題でも、マスコミや教師の影響を考えさせられる。朝日の調査によれば、憲法9条を変えたほうがよいと答えた人はわずかに20%で、「変えないほうがよい」が74%に上った。現在の憲法が、「いい憲法だと思う」と答えた人は59%で、「そうは思わない」は30%。この世代は、「護憲派」が多数なのだ。そしてそれは、朝日新聞を含む多くのメディアや日教組の先生方が主張している方向性と一致している。
 
その一方で、政治活動に焦点を当てると、違う側面も見えてくる。朝日新聞などは社説で若者たちのデモを持ち上げ、日教組の報告会では「デモ」に特化した授業例が報告されるなど、両者ともに政治活動としてのデモの価値を積極的に呼びかけている。
 
しかし、「政治や社会問題について、どの程度まで行動したいと思いますか」という問いに対して、「デモや集会、NPOなど市民団体に参加する」と答えた人は、わずか1%。「選挙運動に参加する」と答えた人も、10%にとどまった。また、「政治や社会問題について、若い人たちがデモで意見を表明することに、共感できますか」という問いでは、「共感できない」が48%で「共感できる」を7%上回った。
 
まとめると、格差や憲法といった問題について、18歳、19歳の多くは、マスコミや日教組の先生方の主張に近い考え方を持っているが、デモをしてまで主張するまで政治に熱心なわけではないということのようだ。だが、夏の参院選で自民党が憲法改正を視野に入れる一方で、若い人々に浸透しているのは、むしろ「護憲派」の考え方と言える。その意味では、若い人々の考え方を見る限り、いかに「偏向している」「偏っている」と言われても、マスコミも左翼教師たちの影響力はまだまだ健在なわけである。

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