2015/09/09    10:12

誰か財務省に「ストーカー、キモい」と言ってくれ

ふむふむ、マイナンバーの正体見たり、である。
 
消費税率を10%に引き上げる際に、導入を検討していた軽減税率について、財務省がまとめた案を各紙が報じている。それによると、購入時は消費税10%の価格で商品を購入するようにし、2%分を後から給付するのだという。買い物の際に、マイナンバー・カードを通じて、国が新設するデータセンターに買い物情報が蓄積され、それによって給付額が算定される。
 
厳密な意味での軽減税率は、増税が低所得者層の生活に与える影響を緩和するために、食料品については低めの税率を設定するものだが、導入すれば増税による増収が目減りする上、事務処理が煩雑になるといった理由から、財務省は今回のような折衷案を考案したという。
 
今回の案については、様々な問題点が指摘されている。例えば、重税感をぬぐいきれない。買い物情報を店頭から送信する端末を整備したり、データセンターを創ったりする手間やコストがかかる。あるいは、データセンターがサイバー攻撃にあった場合に、プライバシーが侵害される恐れがある。上品な言葉を使えば、そういうことだろう。
 
だが、この問題を単純に言ってしまえば、「うわっ、気持ち悪りい」ということではないか。結局のところ、この財務省案は、政府が私たちの買い物カゴの中身をのぞいて、逐一チェックするという意味である。これでは、いくら「負担軽減」というお題目があったとしても、ストーカーとあまり変わりがない。
 
例えば、「あのマンションの4階に住んでいるOLは美人だなあ。萌え~」と言って、その人がゴミ捨て場に出したゴミ袋を物色すれば、立派なストーカーである。そんな光景は、想像するだけでも気持ち悪い。国民の買い物カゴをのぞこうという財務省は、それと同じようなことを、しかも国民全体にやろうと言っているのだから、ストーカーも顔負けの気持ち悪さだ。あまりに趣味が悪い。
 
そもそも、「行政の効率化」「社会保障のため」という美辞麗句が並ぶマイナンバー制度は、国民の所得の情報やお金の動きを政府が監視することになるのではないかという恐れが指摘されていた。つまり、国民の財布の中身を政府がチェックするという話だ。すでに今国会の安保法案のどさくさまぎれに、マイナンバーと預金口座を任意で連動させられるようになる法案が、成立している。今回の財務省案は、まるで「国民を監視しますよ」と、大っぴらに宣言しているように聞こえてならない。
 
「社会保障のため」「低所得者のため」というスローガンにごまかされて、財務省の「ストーカー根性」を看過していてはいけない。気持ち悪いものは、気持ち悪いのだ。そして、気持ち悪いものを真顔で提案するお役人と、それを「なるほど」と言って真面目に議論する政治とはどういうことなのか、国民を挙げて考える必要があるのではないだろうか。

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