2015/12/22    10:09

ドイツの移民問題の教訓――宗教の違い、病気、誰が費用を払うのか

フィナンシャルタイムズの元記者で現在シンクタンク「Friends of Europe」を運営しているギルズ•メリット氏はチェコのシンクタンク「Project of Syndicate」に「ヨーロッパはまだ移民が必要だ」というテーマで寄稿して、「ドイツの8,200万人の人口が2060年には6,500万人となる」と言及し、ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル•フラッシャー所長が「長い目で見れば、移民は5-10年すればコストを上回る利益でもって信じられない程の機会をドイツにもたらす」と述べたこと取り上げた。

同氏は、5年程前にEU賢人会の会長を勤めたスペインのフェリペ・ゴンサレス元首相が「現在の労働力のレベルを維持するには、今世紀半ばまでに1億人の移民が求められる」と指摘したことにも触れ、また欧州金融安定メカニズム(EFSF)のクラウス•レグリング最高責任者が「労働力の不足は2030年までに年間GDPで1.8%、2050年までに1.3%の成長を抑える障害となる」と発言したことにも言及した。

そしてメリット氏は、EU内に現在、3,400万人の市民権を持っていない移民がいて、その5分の1は働く年代であり、僅かに7%が64才以上の移民者だ、とEU委員会の調査で報告されていると述べた。

理論的には、国の将来の経済発展の為には移民が必要であるのは理解できる。しかし,実際に移民を現在多く受け入れている国では、移民受け入れが深刻な社会問題に発展している。

その一番わかりやすい例をドイツに見ることが出来る。

ドイツはメルケル首相が移民、特に難民を無制限に受け入れる姿勢を示したことによって中東やアフリカからの移民の流入が急増している。そこで深刻な社会問題になっている一つが、移民収容所における「移民者の間での宗教の違いによる暴力沙汰」だ。そしてもう一つは、病院で医師と看護師が、「ドイツで既に撲滅している病気や悪質な病原菌を移民が持ち込んでいる」という事実と苦闘していることだ。

この二つの問題をシンクタンク「ゲートストーン研究所(Gatestone Institute)」のメンバーで政治学者のソーレン・カーン氏の二つのレポートの中から抜粋して()()、以下に箇条書きに整理して言及しよう。

■ 移民同士が同じ収容所で何か月も生活を共にすると、宗教の違いから暴力沙汰になることも頻繁に起きるという。また、収容所の中でもテロリストになることを勧誘しているという情報もある。
〈キリスト、クルドそしてヤジディを信奉する者が移民収容所でイスラム教徒によって頻繁に攻撃を受けている〉
〈イスラム教徒からキリスト教に改宗した者は100%誹謗中傷そして暴力などの被害を受ける〉
〈スンニ派とシーア派の喧嘩や殺傷沙汰になることは頻繁〉
〈ラマダンの時は日が昇る前に食事を済ますようにと他民族の人に迫る〉
〈300人のアルバニア移民と70人のパキスタン移民の間で怪我人が出る程の喧嘩もあった〉
〈サラフィー主義者の間ではグループ間で勢力争いが起きて移民収容所内で権力争いもある〉
〈サラフィー主義者は他の移民に接近して、彼らの主義に共鳴する者を勧誘している、という情報をドイツ諜報機関がキャッチ〉
 
ソーレンカーン氏はこのレポートの中で、「メルケル首相の移民への門戸を開けたことが逆に裏目に出た。『世界で最も力のある女性はついに“ワーテルローの戦い”に直面することになった』と世論は皮肉った」と述べた。
 
 
■ 移民が持ち込んで来る病気に対して医師と看護師の闘いが始まっている。
〈病院では医師と看護師を保護する為の安全性を高めている〉
〈診断に不服の移民から攻撃を受ける時もあることからの医師や看護師の保護も必要〉
〈難民受入申請者の5%は悪質の病原菌を持っている。現在まで入国している移民の数から割り出して、75,000人の移民者が感染性の高い病気にかかっている〉
〈20種類の予防接種は僅かしかない。他に16種類の予防接種は既に在庫は切れており2017年まで入手出来ない〉
〈移民の子どもは予防接種を受けておらず、ドイツでは既に撲滅した病気だとしてその予防接種が不足している。疥癬がその具体例としてある〉
〈クルミア•コンゴ出血熱、ジフテリア、エボラ、エイズ、マラリア、麻疹、髄膜炎、疥癬、破傷風、肺結核、チフス、百日ぜき、ポリオなどドイツでは稀れにしか発生しない病気や既に撲滅している病気とに医師と看護師は対峙して行かねばならない。特に収容所には多くの移民が密集しており、そこでの診察は医師にとって最大の注意が必要でインフルエンザやノロウイルスは容易に感染する可能性がある〉
〈多くの移民はこれまで自国で経験した紛争や虐殺などの恐怖からトラウマと精神病にかかっているとされ、40%の移民は自殺をする可能性ありと診られている〉
〈イスラムの女性患者は男性医師からの診察を受けつけない。また男性患者は女性医師の診察を拒否する〉
 
 
■この結果、次のような社会問題が派生している。
〈肺結核と診断された移民は感染防止に18か月隔離が必要とされている。その費用はひとり当たり毎月10,000-12,000ユーロ(120-144万円)が必要とされている。ある病院では一日に80人の肺結核患者が検出された。18か月の負担費は200,000ユーロ(2,400万円)となり、ドイツ国民の負担となってしまう〉
〈肺結核で隔離されていたが、病院を抜け出した者もいる。よって感染の恐れがある〉
〈ドイツ人への感染を避ける為に、既に感染性の強い病気だと判明している移民には、腕に腕章をつけることを義務付けた病院もある〉

これまで移民を診断した経験から、ドイツ病院連盟国際部長のマルク•シュライナー医師は、「入国する移民の15%は診断が必要だ」と述べて、今年150万人の移民が入国するとなると「225,000人の移民の診断が入国時に即座に必要とされる」と述べた。

移民の入国が激しいバイエルン地方では、「病院で年間で診察する件数は300万であるが、今年は移民の診察が25,000-30,000人と外診と救急往診を75,000-90,000人が受けると推定している」と、バイエル病院連盟のハッセンベイン医師が語った。
 
更にもうひとつ、ソーレンカーン氏の別のレポートでは、2020年までにドイツ国内にイスラム人は2,000万人になると予想されているが、メルケル首相の移民受入の門戸を解放したことに対し、元内務大臣のハンス・ペーター・フリードリヒ氏はメルケル首相の移民対策を「過去に前例を見ない政治ミスだ」と言ったと報告している。更に、「国家を危険に晒すまでに無邪気で夢想的な国は世界のどこにも存在しないと確信している」と述べ、メルケル首相の移民への対応判断を痛烈に批判した。

しかも移民問題がいかにドイツ国民を犠牲にしているかという点を示すものとして、別レポートは、「2人の子持ちの移民家族に支給される生活補助金は1,200ユーロ(144,000円)。住居と食事は無償で支給される。ドイツ人で30年働いて同じ家族構成の失業者が受ける失業手当は上記金額を僅かに上回るだけの金額だ」と指摘して、ドイツ人失業者から見れば移民への手厚い支援は当然理解されないとした。
 
メルケル首相も、短期間にこれほど多くの移民がドイツに流入するとは想像していなかったのだろう。ロシアの『R.T.』はメルケル首相の移民対策について、とんでもない間違いをしたものだ、と驚きを見せた。

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