2015/11/19    08:00

トリコロール論争を考える

Facebookのトリコロールが様々な議論を呼んでいるようです。
私は単に「哀悼の意」を示すつもりで参加しましたが、「無国籍派」だとか、
「単にお祭り騒ぎで哀悼の意を示している」という声もあり、一応、私の立場を理論的に説明させていただきます。

(これをスパムという方は、おいて置いて・・・笑)

そもそも、このテロを起こした「イスラム国」についてです。

「イスラム国」は、アメリカの中東政策の失敗から生まれたと考えています。「イスラム国」が勢力を拡大しているイラクで、アメリカはスンニ派のフセイン政権を打倒しました。アメリカ軍占領後に誕生したシーア派政権によって、敵対しているスンニ派の人々は追い出されました。しかし、混乱を収束することなく、アメリカはイラクから撤退をしました。イラクの一部のスンニ派はシーア派の弾圧から身を守るため、同じスンニ派の「イスラム国」と手を結び、結果として「イスラム国」の勢力は急速に拡大ました。

そもそも、歴史をさかのぼると、この地域での争いの種が、欧州の植民地支配によってまかれたことが分かります。
 
第一次大戦でオスマン・トルコ帝国が敗れると、宗教や文化が異なる部族が混在していた中東地域に、英仏などが一方的に国境を引き、植民地にしていきました。現在ISは、独自の支配地域をつくろうとしていますが、これは約100年前に欧州が勝手に引いた国境を引き直す運動とも言えます。
 
国際的に流れているニュースは、欧米マスコミが発信しているものが多いです。そのため、日本人もキリスト教的な価値観で中東問題を見てしまいがちです。しかし、この問題をイスラム教国の側から見ると、彼らの理屈にも一定の大義があることが分かります。

また、本来ならばアメリカ軍占領後のシーア派政権がスンニ派を弾圧したことから生じた混乱ならば、アメリカは事態の収束を図る努力をするべきだったと思います。

しかしオバマ氏は2013年9月、シリア内戦に関するテレビ演説の中で「アメリカは世界の警察官ではない」と発言。シリア政府軍が化学兵器で民間人を虐殺し、シリア全体で10万人近くの犠牲者が出ていたにもかかわらず、アメリカは軍事介入を見送りました。その後、内戦が激化し、アサド政権、反体制派、イスラム国のほか、各陣営を支援するロシアやアメリカなどを巻き込んで、憎しみの連鎖が拡大していったのです。
 
当時、オバマ氏がシリアへの軍事介入を見送った理由は、主に以下の3点。
(1) 財政再建のために軍事費を削減したい。
(2) 世界のリーダー国家として行動するより、国内問題の解決を優先したい。
(3) 米兵に犠牲者が出ると、国内から批判され、支持率の低下につながる。なるべく対話で解決し、武力戦争を避けたい。

今回、アメリカは小規模な地上部隊を派遣することを決めたそうです。
 
各紙の報道によると、派遣されるのは50人未満の小規模の特殊部隊。任務は、米軍の空爆の誘導やアサド政権に対抗する反体制派への支援に限定。イスラム国掃討作戦には、直接、参加させないというオバマ米大統領の方針は変わらないといいます。

アメリカが、2014年の夏からシリアで行っている空爆では、イスラム国を壊滅できない現実を突き付けられています。また、穏健なスンニ派の武装勢力に武器や訓練を提供し、アサド政府軍やイスラム国と戦わせる、というオバマ氏の戦略も失敗しています。
 
失敗続きのオバマ氏が「とにかく何かをしなくてはいけない」と踏み切ったのが、今回の地上部隊の派遣ですが、小規模の特殊部隊が戦局を大きく変えられるかわかりません。アメリカが早い時点でシリア内戦に介入していたら、現在のシリアを中心とした中東の混乱や、ヨーロッパにまで波及している難民やテロ行為もある程度抑えられたはずです。

歴史の流れを振り返ってみるならば、欧米にまったく否がないとは言えません。しかし、
物事の善悪を見極めるためには、その思想や行動が極端なところまで広がったらどうなるかを考えてみれば良いと思います。
この場合、「『イスラム国』が世界に広がったらどうなるか」ということを考えてみるとよいと思います。「イスラム国」が広がれば、多くの不幸が生まれるであろうことは想像できます。そのため、その広がりを推しとどめようとする空爆には、一定の正当性があると思います。
 
同時に、「イスラム国」が誕生した理由は、スンニ派イスラム教徒がシリアやイラクで迫害を受けていたからです。迫害されていた彼らも生き延びるために戦っており、何らかの住み分けや領土的安定を保障する必要はあると思います。
 
ただ、これらを総合的に考えてみても、テロには反対いたしますし、個人的にも友人が多いフランスの国に応援の気持ちを送ることを、とやかく言われる筋合いはないと思います。
そもそも、表現の自由の範囲です。

もちろん、トリコロールにしない方々を非難する気などは毛頭ありません。
それぞれの方が、それぞれの立場でこの問題をしっかりと考え、何等かのアクションを起こすことが大事だと思うのです。トリコロールに参加した方々は、何等かのアクションを起こしました。それを非難するのではなく、自分なりのアクションを起こすことを考えることの方が大切なのではないでしょうか?
 

(※ 筆者のブログから転載しました。)

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