2017/02/22    08:30

トランプ時代の日米外交、「尖閣と基地」からどこまで行くか?

トランプ米大統領を相手にしての日米関係は、当初、懸念されていたよりも、はるかに順調な滑り出しを見せている。

3日に来日したジェームス・マティス国防長官は、尖閣諸島に日米安保が適用されると断言。トランプ氏が批判していた米軍基地の経費負担についても、「日本は見習うべきお手本だ」などと称賛を惜しまなかった。

トランプ氏が選挙中に日米安保の見直しを示唆していたことから、アメリカ側がどのような要求を突き付けてくるのか懸念されたが、フタを開けてみればこれ以上ないほどの満額回答だった。

マティス氏の訪日がもたらした日米友好のムードは、安倍晋三首相が訪米しての首脳会談にも受け継がれ、首脳声明に初めて尖閣諸島が日米安保の範囲内であることが記された。潔癖症であるはずのトランプ氏は、安倍首相とハグしたり握手したり、エアフォースワンに同乗させたり、一緒にゴルフを楽しんだり、ツイッターにツーショットを載せたり、何度も夕食会を開いたりと、「これでもか」と言わんばかりの歓待ぶりで安倍首相をもてなした。

首脳会談までは、トランプ氏の政策について、スッキリしないムードが漂っていた。マティス氏が日米同盟の重視を断言してからも、ホワイトハウスの主であるトランプ氏が同じ考えか分からないから油断できないといった慎重論を、マスコミも伝えた。

しかし、蜜月の首脳会談で、トランプ政権が日本を敵視する政策を取るのではないかという懸念は、いちおうは取り払われたかたちだ。

トランプ氏はこれまで、貿易赤字の問題で中国と日本を同列にあげて批判していた上に、日米安保の見直しさえもほのめかしていたため、アメリカが日本を見捨てるのではないかという懸念があった。しかし、世界の誰にも誤解する余地がないほどに、日米の蜜月ぶりをアピールしたことで、トランプ氏が日本を重視する考えであることが明らかになった。そのことはまた、同氏が考えている当面の最大の敵が、中国であることを明らかにしたと言えよう。

国防長官の訪日と首脳会談で、日米関係は大いに前進したが、その一方で、一連の日米の外交行事は、日本が置かれている立場を再確認させられるものでもあった。

日本政府がマティス国防長官に確認した2つの内容――尖閣への日米安保の適用と、基地の経費負担――はいずれも、日本を守っているのはアメリカなのだという事実を私たちに突き付ける。尖閣に日米安保が適用されるのかどうかは、事あるごとに日米間の確認事項になってきたが、もし日本が「自分の国は自分で守る」という原則のもとにある国なら、「これからも守ってもらえますよね」とこれほど頻繁に確認する必要はないはずだ。

集団的自衛権の問題にもケリがつき、最大の懸案である憲法改正に向けた動きも前進している。しかし、今回の日米のやり取りは、この国を日本人が責任をもって守っていくための体制づくりにおいて、まだまだ課題が多いことを示している。

防衛相会談や首脳会談で、日本政府がアメリカと確認し合う内容は、今回と比較して、4年後、8年後には、どのように変化しているだろうか。それが、トランプ政権の発足時に比べて、日本の国防政策が前進したかどうかを測る、一つのバロメーターとなるだろう。

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