2015/12/03    15:00

裁判は何のためにあるのか――翁長知事と世論戦

裁判とは、何のためにあるのか。

新聞は誰かの話を書くのが仕事だから、自分の主張を紙面に大展開することは(表向きは)できない。誰かの話であっても、その辺のおじさんや、一般の関心のない人のことを、むやみに書くことはできない。しかし、裁判となれば、公的な意味合いが出てきて、話が違ってくる。

たとえ無理筋の話であっても、裁判という公的な場での発言なら、新聞は「裁判がありました」というニュアンスで堂々と発言を引用して書くことができる。その発言に対して、共感するか、批判するか、それは編集の味付け次第である。

翁長雄志・沖縄県知事が、法廷に立った。原告こそ政府の側で、翁長氏は訴えられた側だが、この裁判をどのように利用できるかは、わきまえている様子だ。どのみち勝ち目はなくても、立会演説会としては絶好の機会となる。

3日の朝日新聞は「勝算については県庁内にも悲観論が根強い。仮に裁判で敗れても沖縄への理解と共感が全国に広がるよう布石を打っているとも言える」と伝えた。

これは、法廷闘争であって、法廷闘争ではない。オーディエンスは国民である。これは世論戦であることを、翁長知事もよく心得ている様子だ。

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