2016/12/03    14:00

いじめ防止対策推進法は子供を救えるか(2)

引き続き2013年施工の「いじめ防止対策推進法」についてです。

 

第4条には(いじめの禁止)として条文に、

児童等はいじめを行ってはならない


とあります。

この法律において児童等とは、「学校に在籍する児童又は生徒」です。
また、第五条以下、には(国の責務)(地方公共団体の責務)(学校及び設置者の責務)が並びます。

そこには「第三条の基本理念にのっとり、いじめも防止等のための対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する」ということが決められています。

注目すべきは、

第八条の(学校及び学校の教職員の責務)です。
条文には

学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校選対でいじめの防止及び早期発見に取り組みと共に、当該学校に在籍する児童がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する


とあります。
 

つまり、「いじめがある」ことについては早期発見に取り組まなければならないし、「いじめを受けていると思われるときは」「適切」かつ「迅速」にこれに対処する責務を有するのです。


ここ何日かで報道されている青森の中2女子のいじめ自殺事件も、横浜の原発いじめ事件も、学芸大学附属高校の事件もこの第8条に違反していることは明白なわけです。

しかし、違反しても罰則規定がないので、学校の現場は相変わらず「いじめはなかったこと」にしたいようです。

この罰則規定に関して現状は以下の通りです。

11月2日、「いじめ防止対策法の施行状況に関する議論のとりまとめ」が発表されました。

教職員の懲戒処分についても言及していますが、提言での懲戒処分に関する記述は、決定前の「素案」よりも大きく後退してしまいました。

「素案」の段階では、本文に、「いじめの情報共有は法律に基づく義務であり、…対応を怠ることは地方公務員法上の懲戒処分となり得ることを周知する」と記されていましたが、最終的な提言では、※を付して、「教職員がいじめの情報共有を怠り、地方公務員上の懲戒処分を受けた事例もある」と欄外に押しやられてしまいました。

いじめ防止対策協議会での委員のやり取りについては、一般財団法人いじめから子供を守ろうネットワークのスタッフがいじめ防止対策推進協議会の様子を傍聴してきました。その様子を一部、メルマガより引用いたします。

一番紛糾したのが、この懲戒処分に関する議論でした。
前回の会議で懲戒処分が検討されていることが報道されたことで、
同協議会の委員たちからは、
「現場の教師たちは、『オレたちを信用しないのか』と怒っている」
「(周囲の学校関係者たちに)『あなたが委員ならなぜ反対しないのだ』と言われた」
「遺族の方も懲戒処分を望んでいるわけではないと思います」
などと次々に教師側の立場からの反対意見が出されました。
唯一、弁護士の委員が、
「いじめ防止法が施行されてから3年の間に起きている事実を見れば、
いじめ防止法に義務づけられている情報共有を怠った場合には、
地方公務員法により懲戒処分になりうることを明記すべきである」旨、発言しましたが、
多勢に無勢で、「懲戒処分になりうる」と明記することは見送られてしまいました。
最終的には、この委員が、「反対意見があるとか、事例として書くとか、残してほしい」と言ったことで、
提言では、欄外に、何とか
「教職員がいじめの情報共有を怠り、地方公務員上の懲戒処分を受けた事例もある」の文字が生き残ったわけです。

いじめから子供を守ろうネットワークメールマガジン11月9日号より

2016年9月30日に発表されたいじめ防止対策推進協議会への「いじめが背景にある自殺事案の御遺族からの意見」には明確に「いじめへの対処において、不適切な対応(法律に則った対応を行わなかった等)をとった教職員に対する
罰則規定を設けること」が意見として出されています。

この法律の基本理念にあった「いじめを受けた児童等の教育を受ける権利」を鑑み、学校とは誰のためにあり、いじめは誰のためになくさまければならないのか、ということを考えると、いじめ防止対策推進協議会の委員たちの多くは、議論の前提が間違っているとしか思えません。

「いじめを受けた児童等の教育を受ける権利」からもう一度実行的な議論がなされることを望みます。

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