2016/07/03    08:00

【習慣新書】『日本人の品格』(ベスト新書)

アメリカのワシントン州で発行されていた「タコマタイムズ」(1904年4月7日付)に掲載された、渋沢栄一氏の似顔絵。

『日本人の品格』
渡部 昇一・著
ベストセラーズ
本体743円+税

渡部昇一氏は私にとって北極星のような方だ。

思えば中学生か高校生だった頃、人生で初めて読んだ新書が氏の著した『知的生活の方法』だった。その後、大学時代に、左派的思想に影響されがちな私の目を覚まさせてくれたのも、氏の論壇誌における言論活動だった。
そんな渡部氏の著作を論評するなどそれこそ恐れ多いのだが、やはりこれは紹介しておくべき本だと思う。

第1章から第3章は、日本は東アジア圏にあって中国とは独自の文明に属すること、天皇は伊勢神宮や靖国神社など限られた神社にしかお参りしないこと、日本軍の規律正しさが西洋諸国の驚きの対象だったこと、源氏物語が世界初の本格的な小説であること、江戸時代にはリサイクル文化が発達していたこと等々、保守系の方なら先刻ご承知の諸事実がコンパクトに説明されている。

渡部氏はこのような本来誇り高くあるべき日本を貶めたのはGHQの政策により利得した者たちであり、その第1に当時ソ連の工作員だった共産主義者をあげ、中でも戦後教育の罪深さに憤っている。

ここまでは、他の保守派論客の著作でも代用できそうな内容であるが、本書の白眉は第5章の「日本人の品格を取り戻すための処方箋」にある。中でも私が特に感銘を受けたのは、次の2点だ。

1 江戸の商人から近代ビジネスマンに脱却できたのは、彼らに武士的プライドを与えた渋沢栄一にあり、それを今一度再認識することが大切だ(これは大人向けか)。

2 入試の古文は、出典を限定すること。そうすれば、受験生は暗記するほどまでに一生懸命勉強し、それが日本人の国語力をゆるぎないものにする。かつてはヨーロッパの大学入試にラテン語は必修であったが、実際に出題されるのはタキトゥスの『ゲルマニア』とシーザーの『ガリア戦記』に限られていた。それと同様である。

近年の日本企業の不祥事を見れば、企業人の「誇り」が失われているとしか言いようがなく、第1の点はまさに我が意を得たり、である。

一方、第2の点については思いもよらなかった。だが指摘されてみればまさしくその通りで、国民共通の古典を再び持てる喜びは、何物にも代えがたい国民財産になるはずだ。
 

※筆者のブログより転載しました。

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