By. Julia. Y
2015/05/22    10:00

留学中に学んだ、他国の進化論に対しての発想の多様性

私がドイツに留学中、授業の中で進化論と創造論についてディスカッションをしているとき、中国人のクラスメートにこう聞かれました。

「日本人は伝統を大事にする人たちだと思ってるんだけど、なんでここまでダーウィンの進化論を受け入れているのか」

私はこのように答えました。

「きっと日本人の宗教心は形骸化しているんだと思う。あと、仮説の一つであるダーウィンの進化論をここまで社会が受け入れているということは日本人は思考停止してあまり深く物事を考えていないんじゃないかと個人的に考えている。」

ダーウィンの進化論は広く世界で受け入れられつつも、欧米では日本とは違いさまざまな学説や思想が存在します。旧約聖書に書かれた通りの内容を信じる人もいれば、何百万年も前に人間は神によって創られそこから進化していったと考える人、人間の長い進化の過程は神によって導かれていると考える人など、日本とは違い、人間の進化に対して多種多様な発想を人々が持っています。

ダーウィンの進化論を大半の人間が受け入れている日本から来たということで、ドイツ人の先生が私の考えを聞きました。そこで私は

「私は神によって長い進化の過程が導かれたというのはあり得ると思う。アメーバから人間まで進化したことの方が個人的にはちょっと信じられない。完全に証明しきっていない学説を日本人全体が受け入れているのは愚かだと思う。
また、正しいか正しくないか以外にも、欧米による植民地政策を肯定しうる社会進化論を生み出す元となった進化論が与える影響は大きくて私はそれがとても嫌だ。」と答えました。

ちなみに社会進化論とは以下のような概念です。

ダーウィンの生物進化論を,社会的諸関係に適用し,社会も次第に高次なものへと進化すると考える理論。代表者はスペンサー。社会ダーウィニズム。
(コトバンク、大辞林 第三版の解説)

これに対して渡部昇一氏は次のように述べています。

欧米の植民地政策は、ダーウィニズムによって“お墨付き”をもらったようなものであった。なぜなら、「優れた白人が劣った有色人種を征服することは自然の摂理なのだ」ということになったからである。まさに、進化論は人種差別の道具になってしまったのである。
(『渡部昇一の昭和史』、P.115、Wac bunko)

海外に出てみなくては分からないものの見方は多くあるのだと思います。自分が当たり前だと考えていることはもしかしたら全く当たり前ではないかもしれません。

この進化論のこと然り、日本人はある意味で科学という「宗教」を信じているのではないかと思います。一般的に「宗教」と言うとなんとなく怪しいイメージが付きまといますが、完全に正しいと証明しきれないという点で科学も結局は同じです。科学的に正しいと誰かが言えば、本当であるかどうかは別にしてその発言を真実として受け入れてしまうという姿勢がもしあるのなら、そう簡単に宗教的価値観も批判してはいけないのではないでしょうか。

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