2016/02/11    08:00

「中立なメディア」はあり得るか

「中立なメディア」というものはそもそも、世の中に存在するだろうか。
 
人の手が加わったものは、何であれもはや完全な中立ではあり得ない。何をトップニュースで取り上げるのかにしても、どの映像を使うのかにしても、人が選んでいるのだから、その時点で、それに関わった人のバイアスが入り込む。人が関わっている限り、それは変えようがない。
 
いや、たとえ、機械がニュースを“機械的に”選んで、ニュース番組をつくるのだとしても、その機械をプログラミングした人によって、数式が微妙に変わるかもしれないから、ここでも完全な中立はあり得ない。Google検索でさえ、まったく偏向がないなどと、言いきれるだろうか。
 
だから、「メディアは中立でなければならない」と政府が強制すれば、それは言論弾圧と隣り合わせになる。そもそも「中立」の基準は誰が決めるのだろうか。政権への批判かどうかを物差しにするのだろうか。その場合、何が「批判」で何がそれ以外なのだろうか。これを考え始めれば、「3Dプリンターで女性器を複製したらわいせつにあたるのか」という問題と同じような、袋小路の議論になる。
 
もっとも、テレビ局が政治的に公平であることを求めた放送法を根拠に、テレビ局の電波停止の措置があり得るとした高市早苗・総務相の懸念そのものは理解できるし、安倍政権のいらだちも根拠がないわけではない。昨夏の安全保障関連法案の審議の際には、確かにTBSやテレビ朝日の夜のニュースは、反対運動の様子ばかりを取り上げ、コメンテーターは「安倍政権は世界中の紛争に口出ししたい」といったコメントをしていた。
 
しかし、だからといって、「政治的に公平でないテレビは潰す」ということなら、それはパンドラの箱を開くことになる。むしろ、新しいテレビ局の活発な新規参入を認めることの方が重要である。そして、それを進めることの方が、総務大臣としての仕事なのではないか。

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