2014/12/14    08:00

グローバル人材を育てる道徳教育の条件

道徳教育が、2018年から「教科」になることが決まり、その是非について様々な議論が起きています。ここでは、特にグローバル人材を育てるために必要となる道徳教育について、考えてみましょう。
 
私が一番必要だと感じているのは、「多様性に対する許容」です。日本の論壇の中で、「多様性が大事だ」と言う人たちはたいてい左翼で、彼らは「中国や韓国の言い分も聞きましょう」という意味で主張しています。しかし、私が言いたいのはそういうことではありません。
 
世界の人たちと付き合おうと思ったら、キリスト教徒やイスラム教徒など、違った宗教の人たちと交流していく必要があります。そういう相手のベースにある価値観を理解して、違いがあるならあると分かった上で、目の前の課題にいかに対処していくべきか議論ができないといけないわけです。日本では宗教への根強いアレルギーがありますが、こうした偏見をまずは取り去る必要があるでしょう。
 

「人智を超えたものに対する畏怖」を学ぶ

キリスト教やイスラム教といった世界の宗教の教義の違いを学ぶことに加えて、大切なのは「人智を超えたものに対する畏怖」というものを学ぶことです。これは教育基本法にも盛り込まれています。
 
今の道徳の本には、神様という言葉すら一つも出てきません。けれど、例えば自分の家族とかが山で遭難するようなことがあったら、「神様どうか助けてください」と思うことは自然な心情ではないでしょうか。それは「なになに教」と呼べるものではないけど、人として普通に生きていれば、「神様、お願い」と思うことや、合理主義や人智を超えたものを感じる瞬間というものに、一度はめぐり合うものです。そしてそうした心情が、宗教心や道徳心の根っこにあるものでしょう。
 
これまでの左がかった道徳教育では、そうした点に触れず、「モラルジレンマ」をよく扱ってきました。例えば、溺れている5人を助けるためにあなたがボートに乗っていて、途中でまた溺れている1人と出会う。この人を助ければ5人は助からないけれど、この人を見殺しにすれば5人は助かる。こういう時に、自分ならどうするかといった問題を、議論させるのです。
 
確かにこの種の問いは昔からあるもので、儒教でも「忠ならんと欲すれば孝ならず。孝ならんと欲すれば忠ならず」という言葉があります。主君に対する忠誠と、親に孝行する気持ちが両立できないケースがあって、どうしようか考えるわけです。けれど、儒教の教育でこれを一番初めに教えることはありません。まずは、忠と孝の大切さをそれぞれみっちり教えることが先です。それが身についた人に対して、「そうは言っても、人間はこういう難しい場面に遭遇することもあるんだよ」と、初めて問いかけるわけです。
 

何が大切か分からずに育つ子供たち

ですから、これは中3の道徳だけでいいわけです。義務教育が終わる段階で、「これまでこれが大切と教えてきたけど、世の中はそんなに単純ではないんだよ」というくらいの感覚で教えればいいわけです。これを小学校の低学年でやってしまっては、何が大切な価値観か分からないまま子供が育つことになります。
 
道徳が教科化されるということは、ガイドラインに沿って教えていけるということで、いい兆しと言えます。中高年層に比べて若い先生たちはそこまで左翼的ではないので、きちんと指導していけば、道徳教育も良くなっていくと言えるでしょう。
 
(※ この記事はインタビューの模様を編集部がまとめました)

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