2016/02/25    18:05

米大統領選、共和党トランプ氏が3連勝――ヒスパニック票から在日問題を考える

米大統領選の共和党の公認争いでは、実業家のドナルド・トランプ氏がネバダ州での党員集会でも勝利し、3連勝となった。今回の党員集会で注目されたのは、同州の約3割を占めるヒスパニックの支持の行方だ。
 
トランプ氏は不法移民を激しく攻撃してきたため、ヒスパニック票では苦戦すると思われたが、ふたを開けてみれば、ヒスパニック票の45%を集めた(CNN調査)。
 
もっとも、今回の投票全体に占めるヒスパニックの割合は8%に過ぎず、州全体で見れば、そもそも共和党支持のヒスパニックは少数派だ。だから、トランプ氏が本選挙でもヒスパニック票を集められるとは限らない。ハフィントン・ポストはご丁寧に、トランプ氏に投票したヒスパニック系の数は、州全体のヒスパニック系の7%に過ぎないと解説する記事を載せている。
 
しかし、ここで注目したいのは、トランプ氏を支持したヒスパニック系の理由だ。不法移民を舌鋒鋭く「口撃」するトランプ氏のことだから、当然のことながら、どのヒスパニック系も彼を毛嫌いしているのだろうと思われがちだ。しかし、とかく「トランプ氏といえば暴言の荒くれ者」というレッテルを貼りがちなメディアの報道の洪水をかき分けて、よく見てみれば、トランプ氏は単純に移民を批判しているのではなく、“不法に入国した”移民について文句を言っているのだと分かる。
 
そして、不法な移民は、すでに合法的に移り住んで暮らしている移民にとっても、脅威に映る。真っ当に暮らしている自分たちに対する社会のイメージを傷つけるというのが一点。そして、不法入国するのはフェアではないというのがもう一点だ。
 
日本の各紙の報道も、今回のネバダ州の報道では、こうした現地の声を拾っている。ここでは、朝日新聞の記事を引用してみる。

トランプ氏が勝利宣言した会場にいた建設業のエンリケ・カセレスさん(58)は12年前にペルーから移住。「私はきちんと米国の市民権をとって移住した。子連れで不法に国境を渡って来ておきながら『福祉が必要』などと訴える人は、この国の福祉を乱用している。追い出すべきだ」と、トランプ氏に共鳴する。

チリから合法的に移住したフリアン・オルテガさん(56)もトランプ氏に投票し、「米国は不法移民に侵略されている。国の安全のためにはトランプ氏しかいない」と断言する。
(朝日新聞 「トランプ氏 圧倒3連勝」 2016. 2. 25 朝刊 10面)

レッテルを貼ったり、カテゴリ分けするのは便利だから、「ヒスパニック」や「移民」は議論の中で一くくりにされがちだ。そして、ある人は「かわいそうな弱者」というイメージを持ち、またある人は「国を脅かす外国人」だと思う。どちらも正しい面はあるが、100%ではない。福祉に頼る“弱者”に当てはまらない移民もいれば、国を脅かさずに社会に順応する移民もいる。トランプ氏に投票し、不法移民を一緒になって批判する移民は、そういう人たちなのだろう。
 
この議論は、日本に当てはめても興味深い。日本の移民問題といえば、在日の問題がある。彼らに対して(いや、私も在日の一人として、「私たち」と言おう)、ある人は「半島から連れて来られたかわいそうな人たち」というイメージを持ち、またある人は「社会保障にタダ乗りしたり、スパイ活動したりする危険な人たち」だと思っている。でも、どちらでもない在日もいる。時代が3世になり、半島から実際に渡ってきた人々の記憶も薄れ、帰化も進んだ今日にあっては、そちらの方が徐々に多数派になっていくはずだ。
 
日本の社会に溶け込んで暮らしている在日や帰化日本人にとっては、北朝鮮の核開発を支援したりしている在日は、たとえ同じ血が流れているとしても、脅威であることに違いはない。在日のイメージをさらに(ただでさえ悪いのに、さらに)悪くすると同時に、日本の安全を損なうからだ。問題は、そうした声は、「在日」というカテゴリをつくって論じたがるマスコミの報道で拾われることは少ないし、自ら声を上げる在日も少ないということだろう。そうした現状こそ、在日3世である私が、こうしてささやかながら記事を書いていることの理由の一つでもある。
 
日本に危害を加える在日もいれば、その反対に、日本が好きな在日もいる。そして、日本が好きな在日の声は、日本に危害を加えようとする在日にとって、おそらく脅威になる。

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