2016/08/27    12:53

ギリシャでは、請求書を発行しないと、48時間の営業停止

政府の支出を抑え、財政収入の増加の必要に迫られてるギリシャ政府は8月に入って新たに政令を発布した。その内容とは、「請求書を発行しない企業に対して、その顧客は支払いをする必要がない。それが発覚した場合には48時間の営業停止が義務づけられる」というものである。 政府が求めているのは請求書から上げる消費税の徴収である(「LIBREMERCADO」)。
 
ギリシャでは納税について、社会一般に義務とは感じておらず、いかにそれから逃れるかというのを望んでいる国である。しかし、政府に歳入を増やさねばならない必要に迫られている。トロイカ(EU、ECB、IMF)から第三次支援金を受けて現在の負債総額はGDP比で180%までになっている。生産性の乏しいギリシャでは税収を上げるには徴収を増やすしかない。

支援金を受けた条件の中には2018年には財政黒字を3.5%に高めて債務の返済に充てるという公約も盛り込まれている。尚更、歳入を増やさねばならない立場にある。
 
しかし、現状のギリシャ経済は2009年から2015年までGDPは30%後退し、昨年は、16000社が市場から姿を消し、今年第一四半期も3800社が倒産、または廃業しているという状態だ(「EL ESPANOL」)。

そのような事態の中で、政府が特に税金の増収を求めて標的にしているのがGDPの20%を担う観光業である。全国の観光地を対象に、3万箇所でコントロールを強化するとしている。特に、エーゲ海の島々をコントロール強化に選んだという(「LIBREMERCADO」)。そこで脱税行為を取り締まるためである。

チプラス首相は2014年の選挙キャンペーンで、観光島の消費税は一般消費税よりも低いままにしておくと公約しておきながら、トロイカの圧力で観光島での消費税も本土と同様に24%に引き上げた。その上、今度は脱税の取り締まりを強化するというのだ。コントロール強化の成果として、サントリニ島でレストラン、バル、高級ブティックを経営している企業が一日に57の請求書を発行していなかったことが検査官によって摘発されたという。消費税24%というのは高い税負担である。顧客も請求書なしでキャッシュで払って消費税を払うことを回避したいというのが当然望むところだ。それ故に、売る側も請求書の発行を控えるようになるのである。

観光地では1年のうち4カ月間だけ店を開けて1年分を稼ぐという、小規模の小売業者も多くいる。彼らにも同様に請求書の発行を義務付けるのであれば、存続困難になると指摘している経営者もいる。すなわち、彼らにとって消費税の支払いを避ける行為はひとつの選択肢というのではなく、事業を続けるための必要条件だと考えているのだ。

税務署は小売業者の売上申告額と顧客がクレジットカードで支払った総額の調査から脱税行為を摘発するようにもなっている。それを知っている小売業者は顧客からのクレジットカードでの支払いを拒否するケースも増えているという。その口実として使うセリフは「そのカード機器を用意していない」、あるいは「故障している」というのが常となっているという。

構造改革の一貫として、消費税の納入以外に、一般企業であれば法人税の支払いも今年6月から税率を26%から29%に引き上げている。経済が破綻状態の中でギリシャの企業が存続して行くのは容易ではない。今年6月の時点で、87%の国民がチプラス政権を支持していないということが判明している。同様に、84%の国民が、野党のやることも気に入らないとしている(「EL ESPANOL」)。

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