2017/01/19    08:30

英国のEU離脱に英国インド人社会が支持を表明している

英国でインド人社会がEU離脱(Brexit)を支持しているのはあまり知られていない。しかも、EU離脱が意味するものは、移民の入国の自由を制限するものであるから、インドからの移民も制限されるようになるはずである。それでも英国のインド人社会がEU離脱を支持するのは何故なのであろうか。
 
英国でインド人が経営しているカレーレストラン業界では現在も深刻な人手不足にあるという。その現状を英国政府は理解してくれて、EU加盟国からの移民の入国は制限しても、それ以外のインドやパキスタンから移民の入国枠を緩和するはずだと、英国のインド人社会は期待しているというのだ。それがEU離脱を支持している理由だというのだ。それを裏付けるかのように、G20加盟国の中でインドへの投資が最も多い国は英国だという。また貿易取引でも昨年の両国の取引額は213億ドル(2兆4500億円)にまで発展している。(La Vanguardia
 
英国のカレーレストラン業界では10万人が雇用されており、毎年40億ポンド(5800億円)規模の商いになっているという。しかし、人手不足が理由で毎週2店舗が閉店を余儀なくさせられているというのだ。12,000店のレストランを代表しているバングラデシュ食料納品連合会によると、この2年半で2,000-2,500店のカレーレストランが閉店したそうだ。同連合会のオリ・カーン副会長は、「この先、半年で更に数千店が同じ道を歩むようになる」と指摘した。これまでは査証発行には、シェフへの給与を年間で18,000ポンド(260万円)の保障が必要とされていたが、今では住居と食事込みで29,570ポンド(444万円)の給与保障が必要とされるようになったという。一般的にシェフの平均給与は25,000ポンド(363万円)が相場だとされている。(EL PAÍS

ウエイターや料理の助手も不足しているという。それはカレー料理文化に馴染みのないEU加盟国の人々では勤めることが出来ない職場なのである。同様に、英国人も9時に仕事を始めて午後5時に仕事を終える職場を選んで、カレー店で働くことは望まないという。また、カレー店のオーナーの子供たちも大学に進む道を選んで、店の後継者に成り手が少なくなっているそうだ。このような事情からカレーレストラン店ではインド、パキスタン、バングラデシュからの移民が新しい労働力として急きょ必要になっているのである。
 
そして、英国のインド社会も望んでいるEU離脱であるが、英国とEUとの離脱交渉について最近も色々憶測が飛び交っているのが、移民の入国を規制するのか否かの問題と、英国のEUへの輸出に関税が課せられるのか否かという問題である。 当初、この交渉について英国は、移民について、最初からその移動の自由を認めないが、単一市場へのアクセスは望んでいるという形での交渉が可能か模索していた。しかし、最近では交渉そのものが列車の正面衝突のように、双方の要求で合意に至るのは難しいとして、英国が交渉から脱線する可能性のあることを予想するメディアの意見が受け入れられるようになっているのである。双方の40年の絆を僅か2年の交渉で合意に至ることはほぼ困難であるという意見なのである。しかも、それを裏付けることとして英国保守党の離脱派の姿勢が強硬過ぎて円満な交渉が困難になるというのである。
 
その様な予測が英国内で次第に受け入れられつつある中で、英国がEUからの離脱を決めたその日に、パキスタンとインドはEU及びNATOに対抗する意味合いをもつ上海協力機構(OSC)へ加盟したのである。

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