2016/01/09    17:00

プラトンに影響を与えた「エメラルド・タブレット」

ヘルメス・トリスメギストスは紀元前3世紀~後3世紀頃の人物とされていますが、ヘルメス・トリスメギストスが書いたとされる「エメラルド・タブレット」が、プラトン(前427年—前347年)に影響を与えていたという説があります。
 
「エメラルド・タブレット」には、「上のものは下のもののように、下のものは上のもののように」という有名な言葉があります。

これについて、「プラトンの魔法」という論文には、次のように書かれてあります。

(この言葉が)正しく理解されれば、そのままプラトン哲学の核心なのである。この照応がどのようなメカニズムで行われるか、プラトンは見せるがごとく巧みに表現しているので、「密儀参入」を果たしていない読者を大いに悩ませてきた。分かるものにしか分からないように仕組まれているのである。(略)
オリュンピオドロスの『プラトン伝』は「プラトンがエジプトにでかけ、その地の神官から伝授を受けた」ことを示唆している。また、「ペルシャのマゴスに合おうとしたが、そのころペルシャに戦争が起こっていたため、フェニキアに行って、そこでマゴスの秘法伝授を受けた。それゆえプラトンは『ティマイオス』で、肝臓やその他の内臓の示す予兆やその種の秘法を開陳し、自ら供犠の祭式に通暁していることを示しているという。
(略)
プラトンのイデア論が一種の「密儀伝授」を受けなければ理解不可能だということはプラトン自身、再三語っている。『国家』によれば、それは永年にわたる試練と浄化の過程を経て、50歳にして始めて達成できる「最大の学」であった。(大沼忠弘、『新岩波講座8技術・魔術・科学』 1986年、岩波書店、61-69頁)


このように、この論文では、プラトンが「エメラルド・タブレット」を知っていたことをほのめかしています。
 
マゴスとは魔法のことです。「マゴス」から伝わった英語MagusやMagiは、「博士」や「賢者」として使われています。

前述の論文は、さらに、次のようにも述べています。
 

「魔法」とは「下のもの」を手掛かりに「上のもの」を想起し、そこで観照した「上のもの」の秩序を「下のもの」のなかに実現する「最大の学」です。「下のもの」はそのままでは低次元の「似て非なるもの」でしかないが、「マゴス」の眼には「上のもの」の輝きを秘めている象徴であり、「上のもの」はその秩序に則って「下のもの」を美しく整える「典型」、また一定の「形」を与えて事物を形成する「鋳型」なのである。(略)
魔法こそ、人間が存在の梯子を登りつめ、「神に似たものになる」ことを可能にする唯一の秘密なのである。(前掲書、71-75頁)

これは、「上のものと下のものとの一致」のことを述べているのです。この究極が神と人間との合一です。つまり、「神と似たもの」になることです。このような魔法が「エメラルドタブレット」や「ヘルメス文書」に書かれてあります。

プラトンはその秘法を伝授され、プラトンの哲学が生まれたのではないかと思います。

TOP NEWS

EUに余力があるか

2017/04/27  10:08

西バルカン諸国の紛争が再燃する恐れ

物事をどこから考え始めるか

2017/04/02  19:24

ぶつかり合う「幸福とは何か」――イギリスのEU離脱から

一石三鳥の魅力的な提案

2017/04/26  15:02

アメリカの裏庭であるメキシコで、ロシア戦闘機を生産?

「学校を選ぶ自由」を認めるべき

2017/04/21  10:38

教育の自由

それでもまだまだ少数

2017/04/02  19:49

変わろうとする学校

「確認済み」飛行物体

2017/04/17  11:17

どこからみてもUFOそのもの、ついに地球もやった…か?

ACCESS RANKING