2016/10/14    12:17

イギリスのEU離脱が、EU軍創設の動きを加速させた

EU軍の創設は昨年からユンケルEU委員長を始め、特にドイツとフランスが軸になってこの必要性を表明していた。しかし、それにいつも反対していているのが英国である。英国の考えはEU軍の創設はNATOの機能を妨げることになるというのが反対の根本的な理由である。今回、EU内で重みをもっていた英国のEU離脱が決まり、EU軍の創設に米国から支援を受けて反対する英国がいなくなるということで、この創設プランが息を吹き返したのである。そして、9月14日の欧州議会でのユンケル委員長の施政方針演説でこの創設プランが表面化した。
 
6月に英国がEUからの離脱を決める国民投票の結果が判明してから時を移すことなく公表されたのが「EU外交・安全保障の為のグローバル戦略」というEUプランである(EUウェブサイトより)。

これは今後のEUが歩むべき外交と安全保障の施政方針を示したものである。その中で注目されるのは「EU軍」を創設する意向が示されたことである。これはNATO軍とは別にEU加盟国だけで連合軍を編成しようとするプランである。
 
EUのリーダー国のドイツやフランスがEU軍の創設の必要性を感じるようになったのは、特にウクライナ紛争からである。NATO加盟国は28か国あるが、その維持費の75%は米国が負担している。即ち、NATOは実質ヨーロッパの米軍のようなものである。しかも、最高司令官は常に米国の軍人が就くことになっている。
 
NATOのブリードラブ前最高司令官は、米国からウクライナに武器が十分に供給される目的でロシアからの脅威を捏造していたことが、ハッカーによって、彼の1096通のメールの分析から判明している。彼の提供していた情報が疑わしい情報元からのものであったことも明らかとなっている。また、メルケル首相もロシアと戦争を急ぐ当時のブリードラブ最高司令官と常に対立していたという。その結果、EUは米国と一緒になってロシアに制裁を課すことに繋がった。しかし、その影響は米国ではなく、EU加盟国に多大の損害となって表れた。ロシアがEUからの大半の輸入を禁止したからである(「SLAVYANGRAD」)(「Sputnik news」)。
 
この出来事を教訓に、EUは独自の連合軍を創設して国境のコントロール、イスラムテロやそして敵対するロシアとの取り組みなどに米国の為ではなく、EUの為の連合軍の創設の必要性を強く意識するようになった。米国とロシアの対立の犠牲になったのがEUであると、EUは受け止めたのである。しかし、この創設の妨げになっていたのが英国であった。そして英国のEU離脱が決定したことによって障害が取り除かれたことになったのである。しかし、英国はEUから離脱するまで、このプランに反対する意向である。
 
EU軍の創設の軸となっているのはドイツとフランスである。オランド仏大統領は、「米国に依存することなく、EUは自ら守らねばならない」と9月のEU首脳会議に臨む前に述べた(「Hispan TV」)。

EU軍の創設の土台になるのが既に存在している欧州合同軍(EUROPEAN CORPS)である。これは5か国ドイツ、フランス、スペイン、ベルギー、ルクセンブルクが基軸になって、それに準参加国のポーランド、ギリシャ、イタリア、トルコ、ルーマニアの10か国によるもので構成されている。その任務は主に平和維持と人道支援を目的にしている。現在の総司令官はスペイン人のアルフレッド・ラミレス中将である。

しかし、この創設に問題がないわけではない。例えば、スウェーデンはEUには加盟しているが、軍事面でのNATOにはこれまでも加盟していない。それと同じ意味で、EU軍に参加することに賛成していない。また、ノルウエーの元首相で、現在NATO事務総長に就任しているストルテンベルグ氏は「NATOに代わる軍の創設は米国が容認しない」と発言した。同様に、軍事専門家のアレクサンダー・ラディック氏は「この創設は西欧の安全保障の構造を変えることになり、米国がそれを受け入れることは想像できない」と述べた。更に問題として、同氏は「NATOとの役目や任務の見直しが要求されることになり、またヨーロッパの全ての軍事力をまとめるには明確で確固たるアイデアが必要で、それには数十年を必要とする」と指摘した(「Sputnik news」)。

英国のEU離脱の決定によって、EU自体も金融経済、財政、軍事面などで新たな構造の構築が必要とされている。

TOP NEWS

解明されてきた真相

2017/08/30  12:24

どうしてバルセロナでテロが発生したのか。

今そこに危機があるのに

2017/08/25  08:00

地球外からの攻撃に人類は一致団結できるか

Appleより優秀な人材が集結?

2017/05/16  14:05

電気自動車の先端を行くテスラモーターズ

早急に業務時間改善と意識改革を

2017/05/31  14:05

教員は子供の成長に寄与することが本来の仕事

ACCESS RANKING

1

スペイン発 ファッションの国際競争

ZARAのライバル、MANGOをご存知ですか?

3

アメリカの自動車王に学ぶ「経営に貫かれる奉仕

ヘンリー・フォードの経営思想

8

次世代の党、杉田水脈議員の国会質問が素晴らし

専業主婦は怠け者なのか?

9

補償金3億ドルを無償で韓国に渡した1965年

軍人遺族らが韓国政府をついに提訴!!「日本の補償金返して」

10

指揮官である首相の参拝は中曽根首相以降、朝日

靖国神社に参拝する防大生

2

スペイン発 ファッションの国際競争

ZARAのライバル、MANGOをご存知ですか?

6

指揮官である首相の参拝は中曽根首相以降、朝日

靖国神社に参拝する防大生

8

補償金3億ドルを無償で韓国に渡した1965年

軍人遺族らが韓国政府をついに提訴!!「日本の補償金返して」

9

アメリカの自動車王に学ぶ「経営に貫かれる奉仕

ヘンリー・フォードの経営思想

10

次世代の党、杉田水脈議員の国会質問が素晴らし

専業主婦は怠け者なのか?