2015/11/17    19:05

朝鮮半島の「イスラム国」とどう向き合うか

フランスのパリで13日に起きた同時多発テロでは、イスラム過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出しています。
 
「イスラム過激派によるテロ」と言われれば、日本で暮らしている多くの人にとっては、正直なところ、あまりピンとこない話ではないでしょうか。パリが攻撃に遭ったといっても、シリアで内戦が5年も続いているといっても、場所としては地球の裏側の出来事。「日本でもテロが起きるかもしれない」と言われてはいても、実際に起きてみなければ、「リアル」なものとして見ることは難しいかもしれません。
 
しかし、こう言うと意外に聞こえるかもしれませんが、過激思想によるテロ行為には、日本も長らく悩まされてきたのです。それは、お隣の朝鮮半島にある、北朝鮮の問題です。
 
もちろん、北朝鮮はイスラム教徒の国ではありません。しかし、「イスラム国」とほとんど同じような国づくりをしてきました。「イスラム国」がカリフを頂点として、彼らにとっての“正しい”信仰に基づいた宗教国家を創ろうとしているように、北朝鮮も3代続く金王朝の絶対的な“君主”をトップとして、「主体思想(チュチェ思想)」という自分たちで創った“信仰”に基づいた国を築いています。
 
そして、「イスラム国」が占領地で思想統制を行い、異教徒や“不純”な人々を拷問したりしているように、北朝鮮でも政府を批判したりする人々は、激しい拷問に遭ったり、収容所に送られたりします。北朝鮮で収容所に入れられている人の数は、なんと20万人も上るとも言われます。
 
何より、北朝鮮が日本に矛先を向けた国家犯罪として、拉致の問題があります。「イスラム国」が欧米人を誘拐して身代金を要求し、有力な資金源の一つとしてきたように、北朝鮮も横田めぐみさんをはじめとする何人もの日本人を拉致してきました。もっとも、北朝鮮に拉致された人々は、身代金目的ではなく工作員の教育に従事させられたと言います。しかし今後、北朝鮮が日本政府との接触の中で、拉致被害者を帰す代わりに、「戦後賠償」や「経済支援」を名目にして「金を出せ」と言ってきたならば、それは身代金を要求しているのと変わりません。
 
過激思想によるテロの問題は、遠く離れた中東で起きている出来事ではありません。気づかなければならないのは、「イスラム国」のような国が、すぐ近くの朝鮮半島に存在しているということ、しかもその国が核兵器を手にしているということです。もし核兵器が「イスラム国」の手に渡るとすれば、それは大変なことだとみんなが思うでしょう。しかし、そのような「大変なこと」が実際に日本のすぐ近くで起こっているのです。
 
2001年にアメリカで起きた同時多発以降、「テロとの戦い」に日本はどのように関わるのかが、繰り返し議論の的になってきました。この「テロとの戦い」という言葉が、「イスラム過激派によるテロ」を意味するのならば、日本はまだ本格的には参加しているとは言えません。しかし、「過激思想によるテロ」であれば、日本はすでに北朝鮮による拉致問題などを通じて、紛れもない当事者として、この問題と向き合っているのです。
 
今回のパリでのテロ事件では、多くの人々がFacebookのプロフィール画像をトリコロールに変えて、フランスの人々の連携の気持ちを示しました。そうした方々はどうか、北朝鮮による日本人拉致の問題についても、思いを巡らせてみてください。横田さんが拉致されてからすでに38年が経過し、ご両親もお歳を召される中、日本としては一刻も早く、この問題を解決しなければなりません。過激思想を持った人々によるテロや国家犯罪と、日本は決して無縁ではないのです。
 
また、朝鮮半島の問題については、「北朝鮮がどういう体制であろうと、民族の統一は悲願だ」と言う人もいます。でも、そういう人がいたら、どうか伝えてあげてください。「あなたは、『イスラム国』が中東を統一するのが、素晴らしいことだと思っているのですか。北朝鮮が半島を統一するのは、それと同じことです」と。

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