2016/11/18    13:56

インドと中国のあいだでバランスを取るロシア

現在のBRICSは、ロシアが天秤役になって、その両側に中国とインドがいてロシアが両国のバランスを取っているという形になっている。中国はロシアとの連携を基盤に新シルクロードの建設と周辺諸国を自国の影響力の傘下に加えるべく積極的な動きを見せている。インドはソ連時代からの深い関係を保ちながらも、中国がロシアとの連携を強化しているのを意識して、米国との関係づくりに動いている。
 
中国にとって、ロシアを味方につけたことは非常に有益になっている。新シルクロードのルートには中央アジアも入っており、ロシアは中央アジアでは強い影響力を持っている。しかも、ロシア主導でユーラシア経済連合も創立されており、この組織の加盟国もロシアが中国のプロジェクトに参加しているということで安心してそれに協力している。中央アジア諸国はもともと中国への信頼は薄いというのが実状であった。
 
また、中国は中央アジアとの協力の延長線上にあるシリアでの紛争解決にロシアと協力して行かねばならない立場にある。何しろ、新シルクロードのルートにシリアも入っており、同国の紛争が解決しない限り、新シルクロードの建設は完成しないのである。
 
同様に、中国はパキスタンとは友好国としての関係を維持しており、カシミール紛争ではパキスタンがインドと対峙しているという事情がある。その理由もあって、インドにとっては中国への信頼は儀礼的なもので終わっている。インドは出来るだけ中国とは距離を置いた外交を展開するようにしている。
 
そしてインドはモディ首相になってからロシアと中国の連携を意識して、米国に接近しているのである。オバマ大統領とは7回も会談を持つという程に米国との関係強化に強い熱の入れようである。また米国も、対中国を意識しての戦略には、インド、オーストラリア、日本、韓国そしてその周辺の小国を加えてアジアのNATOを構築するような形で中国を抑える形を狙う、という戦略から、インドとの絆の構築は非常に重要となっている(「katehon」)。

米国はインドとの絆を強化するべく、昨年1月からオバマ大統領、カーター国防長官そしてケリー国務長官がそれぞれインドを訪問している。両国の関係強化は貿易取引の拡大、民生用原子力協力、クリーンエネルギーの開発、環境保全、そして防衛技術・貿易イニシアティブ(DTTI)の合意から武器及びテクノロジーの共同開発、戦闘機と航空母艦のエンジンとデザイン開発と生産、サイバースペースでの連携やサイバー安全と防衛そしてテロリストの撲滅への協力などに見ることができる(「El Pais」「Hispan TV」「La Vanguardia」)。

米国の後押しを貰って、インドは南アジア地域協力連合(SAARC)でリーダー国としての存在を高めたいとしている。しかし、この連合組織のオブザーバーの中国がそれに干渉した動きを見せているのが邪魔になっている。例えば、中国はバングラデシュの最大の港であるチタゴンの運営に中国が関与する合意が両国で交わされていたが、インドはバングラデシュ政府に圧力を加えて、ダッカまでそれを後退させたという出来事もあった。ダッカはそこを流れるブリゴンガ川沿いに港がある。また、モリディブでは中国が軍を駐留させようとしたことにもインドは同様に圧力をかけて中国軍の駐留を中止させた(「katehon」)。

 
中国の習主席は今回のBRICS首脳会議に向かう前にバングラデシュを訪問している。
 
一方のインドは、中国から逃れてアフガニスタンを活動の基盤に置いているウイグル族の東トルキスタンイスラム運動(ETIM)をインドが支援していることが最近発覚している。ウイグル族は中国政府はテロ組織と見做している(「katehon」)。

 
 

  • インドが米国との関係強化を進めていることを観察したロシアは、今回のBRICS首脳会議を利用してモディ首相とプーチン大統領の間で個別会談がもたれ、次のような内容が確認又は合意された。
  • ミサイルシステムS-400の供給
  • ヘリコプターKa-226の共同生産
  • 両国共同生産のミサイル「ブラモス」の第三国への輸出について協議。チリ、ベトナム、アラブ首長国連邦、南アフリカなど14カ国が購入に関心を示しているという。
  • 1000メガワットの原子力発電所を5基建設する
  • ウラン濃縮で協力
  • ロシアのインドへの天然ガス供給ルートの調査
  • 高速列車の施設の協力
  • ロスネフチ石油公社、トラフィグラ、VTB銀行がインドのエサール・オイル社の49%の株を取得

(「sputniknews」「rbth」)
 
ロシアは、対中国と対インドとの二等辺の関係を維持しながら自国の自然エネルギーの両国への輸出の発展を図りたいというプランをもっている。また、ロシアは中国を牽制する意味で、ライバルのインドとも連携しているということを中国側に見せる狙いもあって今回の合意をしたのである。

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