2016/05/01    12:20

イスラエルに渡ったドイツ製潜水艦――歴史問題をめぐる微妙な関係

イスラエル国防軍が1999年にドイツから購入したドルフィン級潜水艦。


ドイツ政府が2012年に世論の反対を押し切って、イスラエルにドルフィン級潜水艦を販売することに決めた。世論の反対の理由はそれが核弾頭をつけた巡行ミサイルを搭載できるからである。そのうち3隻が既にイスラエルに納品されている。残り3隻が17年までに納品となる予定だという。更にイスラエルは3隻を追加発注することも検討しているという。これにて、イスラエルは特に宿敵イランの中東における勢力拡大を牽制する意味もあるという(「La Vanguardia」)。
 
ドイツ国民が、イスラエルは潜水艦に核を搭載するのではないかという懸念は、12年のデアシュピーゲル誌が取り上げた。そしてスペインでも同年6月の「La Vanguardia」紙がそれを報じた。それによると、イスラエルはこの潜水艦に改良を加えて射程距離1500kmのミサイルに核兵器を搭載しているのだ。しかも、ドイツの国防省のある高官は当初からこの可能性について認知していたと述べたという。
 
この改良計画をイスラエルの当時のエフード・バラク国防相はもちろん事前に知っていたようで「イスラエルがこれから長く存続出来る権利をドイツは付与してくれたことに誇りをもってよい」と述べたのだ。これによってイスラエルは、潜水艦からイランへの核攻撃が保障されたことになる。
 
これをさらに裏付けるように、米国の哲学言語学者ノーム・ショムスキー氏がドイツのマルチメディア「AcTVism」のジャーナリスト ザイン・ラーザ氏のインタビューの中で次のように答えたと、4月8日付電子紙「ANTIMEDIA」で報じられた。同氏曰く「ドイツがイスラエルに提供しているドルフィン級潜水艦はイスラエルで核兵器が搭載出来るように改良されている。それはイスラエルの防衛の為ではない。攻撃を意味するものだ。それは近い将来イランを攻撃するのを狙っている」と述べたのだ。
 
この潜水艦はドイツのキールにあるホヴァルツヴェルケ造船所で建造されたもので、1隻の建造費の3分の1にあたる1億3500万ユーロ(162億円)をドイツ政府が負担している。イスラエルへの武器の輸出には3分の1の費用をドイツ政府が負担している。その理由は、第二次世界大戦でナチスがユダヤ人に対して及ぼした残虐行為ホロコーストへの償いの一部としてである。政府のこの姿勢に対し、ドイツ国民の60%は、自分たちが収める税金でそれを負担していることに、イスラエルへの特別優遇はもう必要ないと考えているという(「La Vanguardia」)。
 
ドイツのシュテル誌が2012年5月に実施した世論調査の結果は上述スペイン紙で報じられたが、59%のドイツ国民はイスラエルを攻撃的な国だとし、70%はイスラエルは他の国のことを配慮することなく自国の利益を追求するだけの国だといってイスラエルに批判的だという。2009年の調査と比較しても、それぞれ10%増えている。しかし、メルケル政権は、今もイスラエルへの配慮を続けている。昨年、イランとの核協議が合意に達してすぐに、ドイツのガブリエル副首相兼経済・エネルギー相がイランを訪問した際にも、イスラエルとの関係改善をロウハニ大統領に要望したという。

一方、イスラエルの核兵器に必要なプルトニム生産はネゲヴ砂漠にあるディモナの原子力センターで行なっている。そこでは最近、事故が発生したという噂がある(「Hispan TV」)。

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