2015/03/05    07:00

血液循環説の本当の発見者はアラビア人

血液循環説を発見したのはセルベート(1509-53)といわれていますが、その3世紀も前にアブル=ハサン・アリー・イブン・アン=ナフィース(1202-88)によって発見されていたことをご存知ですか。
 
彼はダマスカスに生まれ、医学を学び、『イブン・スイーナー解剖学注解』という本を書きました。ここには血液の小循環のことが次のように書かれているのです。

血液が右心室で純化された後で、それは生命精気がつくられる左心室へと移ってゆかねばならない。しかし、この両者「右心室と左心室」の間には何らの通路も存在していない。なぜなら心臓はかたくしまっており、両者をへだてる隔壁には、ある著述家が考えたような、目に見える通路は存在しない。ガレノスが信じたような、血液の流入を可能にする目に見えない通路も存在しない。むしろ逆に、その部分の心臓の小穴はみな閉じられており、その実質は厚い。したがって必然的に右心室の血液に純化された後、肺動脈を通して肺に行き、そこで拡がって空気とまざりあい、最後の一滴まで純粋にされる。その後、それは肺静脈を通って、心臓の右心室に至り、そこで空気とまざりあっているので生命精気をつくり出すことができる。
(伊東俊太郎著、『近代科学の源流』、2007、238-239頁)

通常、心臓の右心室と左心室の隔壁に血液を通すような小穴がないという事実は、16世紀のヴェサリウス(1514-64)に初めて確認され、血液の小循環の考えはセルベートにより初めて提出されたといわれています。
 
けれど、セルベートは『キリスト教の復活』においてこの血液循環説を書いたのは1553年のことです。『イブン・スイナー解剖学注解』がラテン訳されたのは6年前の1547年ですから、セルベートは、この本によったと思われると伊藤俊太郎は述べています。
 
あまり知られていませんが、アラビア医学は非常に独創性、先駆性がありイスラムの学者が最も得意としたもので、中世世界において、東西を問わずこれに匹敵した文化圏はありませんでした。イスラム世界では、医者は単なる肉体の病いを治療するだけではなく、精神的指導者であり、宗教的敬虔も兼ね備えた知識人でなければならなかったのです。
 
西欧の医学校のカリキュラムからイスラム医学が完全に姿を消したのは、実は、この100年のことです。この優れた医学の背景には、ヘルメス主義の大きな影響がありました。

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