2016/11/04    16:27

「メディアはヒラリー推し」 見破っているアメリカ国民

アメリカ大統領選がいよいよ今月8日に迫る中、共和党のドナルド・トランプ氏が巻き返しを見せている。民主党のヒラリー・クリントン氏が、国務長官時代に私的なサーバーを使って電子メールをやり取りしていた問題が、再燃しているからだ。
 
投票日まで残り2週間を切った先月28日、FBIのジェームス・コミー長官は、本件に関する新たな電子メールが見つかったとして、捜査の再開を発表した。
 
新しいメールが見つかったのは、アンソニー・ウィーナーという元下院議員が、未成年にわいせつなメッセージを送った事件の捜査中に押収したパソコンの中からだった。ウィーナー元議員は、クリントン氏の長年の側近であるフーマ・アベディン氏の夫であり、パソコンの中に残されたメタデータに、クリントン氏の私用サーバーとやり取りした形跡が見つかったという。
 
以前に、共和党の候補者争いの討論会で、ある候補が「ヒラリーが大統領になったら、ホワイトハウスとコートハウス(裁判所)を行ったり来たりすることになるかもしれない」と語って、聴衆の笑いを誘ったことがあった。今回のFBIによる再捜査は、そうした懸念を有権者に思い起こさせることになった。全米の世論調査では、トランプ氏がクリントン氏を逆転したという結果も出ている(ABC、ワシントンポスト紙調べ)。
 
興味深いのは、今回の再捜査開始について、大手メディアがクリントン氏よりも、FBIのコミー長官を批判する報道を行う傾向が出ていることだ。投票日直前に捜査を再開したことについてコミー長官を批判することで、クリントン氏への逆風を和らげようとしているかのような、論点のすり替えが見られると指摘する声がある。
 
アメリカのニュース報道をモニタリングしている「メディア・リサーチ・センター」はこのほど、10月28日から31日までの、三大ネットワークの朝夕のニュース番組に関する調査結果を明らかにした。それによれば、期間中の番組内でコミー氏を批判するコメントは88回あったが、クリントン氏への批判は約1/3の31回だけだったという。テレビを信じやすい視聴者なら、クリントン氏のメール問題が再燃しているというよりは、FBI長官が職権を使ってクリントン氏を攻撃していると、現状をとらえているかもしれない。
 
かねてから、アメリカのジャーナリストは民主党支持が圧倒的な多数派だと言われてきた。だから、今回の再捜査について、三大ネットワークが論点をすり替えて報じていることは、ある意味で自然なことと言える。そしてアメリカ国民も、メディアの偏向に気づいているようだ。
 
先月末に行われたUSAトゥデイとサフォーク大学による世論調査では、75%の人が「主要な新聞やテレビ局は、ヒラリー・クリントンが大統領になって欲しいようだ」と思っていることが分かった。またAP通信の調査では、「56%の人がメディアは反トランプで偏向していると思っており、メディアがトランプに肩入れしていると思う人は5%。36%の人が、報道はおおむねバランスが取れていると答えた」という。
 
大手のマスコミがクリントン氏を大統領に当選させようと後押ししていることは、もはや隠しようがない事実だと、アメリカ国民の多くも認識しているようだ。メディアが推す候補をそのまま大統領に押しいただくのか、それともアウトサイダーのトランプ氏を選ぶのか。大統領選はそうしたせめぎ合いでもある。

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