2016/11/25    17:46

オバマ米大統領の”後継者”は、メルケル首相と安倍首相?

来年1月にホワイトハウスを去るオバマ米大統領の後継者は、アメリカにはいない。次期大統領は、反移民と反自由貿易というレッテルがすっかり定着しているドナルド・トランプ氏。2人の考え方はまるで異なる。あえてオバマ氏の“後継者”を挙げるとするならば、それはドイツのメルケル首相と日本の安倍晋三首相かもしれない。
 
このほど最後の外遊に訪れたベルリンで、オバマ氏はメルケル氏を「卓越したパートナー」と呼び、「自分がドイツ人なら、メルケル氏に投票する」とまで言った。オバマ氏が職を去れば、自由主義のリーダーはメルケル氏になるという声もある。
 
そのメルケル氏は12月の議会下院選に首相4選を目指して臨むが、風当りは厳しい。シリアなどから昨年だけで100万人を超える難民を受け入れた寛容政策が不興を買い、9月のメクレンブルク・フォアポンメルン州の州議会選では難民受け入れに反対する「ドイツのための選択肢(AfD)」が、メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)を抑えて第2党にまで躍進した。同州はメルケル氏が選挙区を置く地元だけあって、その衝撃も大きい。
 
移民受け入れに反対する勢力に追い立てられているという意味では、オバマ大統領と境遇が重なって見える。
 
もう一人の“後継者”は、安倍首相だろう。こちらは、オバマ氏が政権のレガシーと位置付けるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の発効を目指すが、トランプ氏の反対に阻まれて実現は困難になっている。
 
安倍氏については首相復帰直後、「右翼のナショナリスト」というレッテルが貼られたが、南シナ海問題で「法の支配」を打ち出すなどして信頼回復に努め、オバマ氏とも協力関係を築いた。現在では、トランプ氏が「法の支配」から脱線しないように説得する役割を担うべきだという意見すらある。ここでも期待されているのは、従来の世界の枠組みを維持するための役割である。
 
しかし、アメリカに安全保障を頼っている日本としては、トランプ氏の外交政策に、ある程度、歩調を合わせざるを得ない。トランプ氏に説教すべきというのはいかにも勇ましい意見だが、自国の安全を脇においてまで、「法の支配」や民主主義、人権といった価値観を説くことは、国民の生命と安全を預かる指導者として簡単に許されることではないだろう。
 
トランプ氏がアメリカ大統領に当選したことによって、いわゆるポピュリズムの潮流が世界的に広がるかどうかが注目されている。これまで世界的に優位だった考え方が覆され、新しい世界の秩序が生まれるのかどうか。オバマ大統領の世界観と歩みを合わせたメルケル首相のドイツと、安倍首相の日本が、どのようにトランプ外交に対応していくのかが、その一つの試金石となるかもしれない。

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