2016/10/26    12:31

国連の存在意義が問われている――新しい事務総長の船出は順調か

今年いっぱいで国連事務総長を退任する潘基文(パン・ギムン)氏の後任に、ポルトガル元首相で前国連難民高等弁務官のアントニオ・グテーレス氏が就任することに決まった。

グテーレス氏は、受諾演説で「より多様な民族や文化、宗教で構成される社会において、多様性を認め、過激組織などが外国人への憎悪をあおることを許してはならない」と述べ、また、中東やアフリカなどで起きている紛争について、「分断を修復する“公正な仲介者”として行動する」と決意を語った。
グテーレス次期国連事務総長演説 「多様性は財産」訴え :朝日新聞デジタル 2016/10/13〕

世界各地で、民族や宗教の違いが原因となった争いが多発している今、次期事務総長の活躍に期待したいところだが、かなりの困難を伴うことが予想される。そもそも問うべきなのは、国連という枠組みに世界の問題を中立な立場で解決していくだけの力があるのどうかである。

最近になって、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に関するニュースが2つ報じられた。

一つは、日本がユネスコの今年の分担金や任意拠出金など計44億円の支払いを保留していることを、岸田文雄外相が明らかにしたことだ。

菅義偉官房長官は記者会見で、「ユネスコでは昨年、私どもが全く知らない中で、さまざまなことが決められていった」と述べるにとどめ、直接言及することはなかったが、昨年、中国が南京事件とは関係の無い写真や資料を「南京大虐殺文書」として記憶遺産に申請し、ユネスコが登録を許可したことが背景にあるのではないかとされている。
【主張】ユネスコと日本 政治利用許さぬ改革迫れ :産経ニュース 2016/10/18〕

もう一つは、ユネスコがまとめたエルサレム旧市街のユダヤ教とイスラム教の両方の聖地に関する決議案で、ユダヤ教で「神殿の丘」として知られる最も重要な聖地について、「ハラム・アッシャリーフ」というイスラム名だけで呼んでいることに抗議するため、イスラエルが、ユネスコとの協力関係を停止した、というニュースだ。
イスラエル、ユネスコとの協力関係を停止 聖地への言及で :CNN 2016/10/15〕

第二次大戦で勝利した連合国が中心になって創設された国連(国際連合)は、停戦監視や発展途上国の貧困対策などには熱心だが、実際に戦争をやめさせて平和を守れるだけの力があるわけではない。米ソの冷戦時代もすっかり脇役に置かれていた。しかも、政治・経済の両面で重要な位置を占める日本とドイツを、第二次大戦の敗戦国だったという理由でいまだに敵国扱いしたままという、時代遅れぶりである。

また、上述のユネスコ例のように、国連機関が特定の勢力に政治的に利用されるような事態も起きている。グテーレス次期事務総長の自身の掲げる「公正な仲介者」になることは、究極の理想ではあっても、実現は限りなく不可能見える。

ユネスコだけではなく国連そのものが、その創設時の目的と、今後の存在意義を問われているのではないだろうか。
 

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