2017/06/14    13:56

カタールと国交断絶した7か国はカタール現政権を転覆させるつもりだ。

6月に入って中東7か国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、エジプト、バーレーン、リビア、イエメン、モルディブ)がカタールと国交断絶した。

結論から先に言おう。サウジとアラブ首長国連邦を軸に軍が侵入、タミーム首長を更迭させて、サウジに従順な国家にする計画を近い将来遂行する可能性が高いということだ。しかし、その前にトルコとイランがカタールを救援する動きをしているのだ。
 
カタールという国は、サウジのアラビア半島にある突起物のような形をした、日本の秋田県に相当する広さの国家だ。人口は220万人であるが、原住民は僅か30万人しかいない。
サウジにしてみれば、カタールはあたかもサウジの領土にあって自治権を認められているような存在である。
 
小国カタールは、天然ガスでは輸出大国として発展し、中東のサウジとイランの両大国の間にあっては、独立国家として存在感を示す為に、これまで独自の外交を展開して来た。特に、1990年にクエートがイラクに侵入されたことを見て、小国カタールは天然ガスから上げる利益を利用して、世界に自国の存在を誇示する外交を展開していったのである。その外交の多くは、宗主国として存在しているサウジにとっては納得できない不服に満ちた外交であった。

サウジにとって最大の敵であるイランと天然ガスを共有したり、シリア内戦でイスラム国を明確に敵と見做すことなく資金支援などをしている。また「アラブの春」の際、エジプトで誕生したムルシー前大統領を支えるムスリム同胞団を支援し、その団員をカタールにかくまうことまで行った。

サウジもカタールと同様に過激テロ組織に資金支援などをして来た。しかし、カタールがサウジの意向を無視した独自の外交を展開していることにサウジは不満なのである。

さらに、カタールの存在感を中東そして世界に誇示すべく、アルジャジーラ報道メディアを開設し、アラブ圏で公正な報道機関であることを強調。アルジャジーラがアラブ圏の統治者にとって不都合な報道も憚ることなく行うことにアラブ圏の指導者から煙たがられている。
 
これまで、オバマ前大統領の政権時は、米国は核合意を結んだイランとの関係を尊重して、アラブ諸国との関係も中立を守るような姿勢を示していた。しかし、トランプ大統領になると、米国はイランを鮮明に敵と見做す外交方針に転換。5月、トランプ大統領のサウジ訪問で、それが明確にされた。イランが支援するヒズボラやハマスについても敵対意識を明確に表明した。

トランプ氏のこの姿勢をサウジやアラブ首長国連邦は待っていたのである。トランプ氏はイランをかつてのソ連と見なし、アラブ首脳会議に参加したアラブ圏の指導者を前にイスラムNATOの創設を説いたのである。
 
しかし、トランプ氏のこの強硬な姿勢にカタールのタミーム首長が異を唱える意見をアラブ首脳会議の席で表明したという。その数日後、イランやハマスを擁護する発言を防衛軍の始業式で行ったことがカタール国営放送で明らかにされたのであった。カタール政府はそれはハッカーによって操作されたものだと弁明。

彼のこの発言が中東で公にされたという背景には、今回の国交断絶を誘うために誰かが仕掛けたのは明白である。FBIは早速それをロシアの仕業の可能性があると表明した。現在の米国は、何か非があると、それをすべてロシアのせいにするのが常套手段となっている。

タミーム首長のこの発言を根拠にサウジとアラブ首長国連邦が主導してカタールを断絶させることを決定したのであった。カタールの「Al-Watan紙」は国交断絶という事態が発生する1週間前にサウジとアラブ首長国連邦の双方でカタールと国交断絶をして政権の転覆を計ることを決定していたと報じたという(elrobotpescador.com)。

サウジとアラブ首長国連邦のこの決定をトランプ政権は容認していた。それは5月のトランプのサウジ訪問で確認されていたという。この2か国が国交断絶を決定すれば、自ずと冒頭で記載した他5カ国も追随する形を取った。特に、エジプトのシシ大統領はムスリム同胞団を国内で弾圧している。ムスリム同胞団を支援するカタールは許せないのである。バーレーンにとってもこれまでのカタールの外交で両国が衝突したことは幾度もある。

更に、米国のユダヤロビイストもイスラエルを守るには現在のカタールは危険であると見做して、トランプ大統領にカタールをイスラムNATO構想から排除する必要があるということを説いたという憶測もされている。米国の歴代大統領の中で、トランプ氏以上にイスラエルを擁護する姿勢を見せた大統領はこれまで存在していない。
 
今回の国交断絶によって、サウジとアラブ首長国連邦がカタールに要求しているのはイランとの関係を断絶すること、シリア、イラン及びリビアにおけるイランと内密に合意していることの破棄、ムスリム同胞団への支援及び彼らを匿うことを放棄、ハマスとの関係も断つといった条件だとしている。

この一連の条件をカタールが受け入れない場合は、サウジとアラブ首長国連邦を軸にアラブ軍がカタールに侵入して現政権を倒壊させるという考えでいるようだ。
しかし、カタールはそれを素直に受け入れるつもりはない。

また、カタールには中東における米国最大の中東全域をカバーする基地がある。米軍基地がサウジやアラブ首長国連邦の動きに追随することは想像される。
また、この米軍基地をアラブ首長国連邦は自国に移転させることをトランプ大統領に要請しているという。
 
その一方で、現在のカタールを唯一救出できるのはトルコである。トルコは昨年からカタールに軍事基地をもっている。トルコも同じくムスリム同胞団を支援して来た国である。そのトルコが6月7日の議会でカタールのトルコ軍基地へ軍隊を派遣することが承認されたのである。トルコ軍基地には既に600人の軍人が駐屯している。今回の議会承認でさらに増員するというものである(hurriyet daily news)。

この決定の背後には中東において現在のトルコの外交と共同歩調が取れる国はカタールしかいないとトルコのエルドアン大統領は見ているからである。そのカタールが潰されたら、トルコの外交は孤立し、現在不況に苦しんでいるトルコ経済にカタールからの投資も途絶えることを避けたいと望んでいるからである。
トルコ同様に、湾岸諸国の敵とされているイランがカタールに食料を送ることを開始したのである(Sputnik Mundo

今回の紛争には、2014年のカタールからアラブ各国がムスリム同胞団を支援していることに反対して大使を本国に召還させるという事態が起きた時に仲介したのと同じく、クウェートのサバーハ首長(88)が老体に鞭打って今回も仲介に乗り出している。しかし、事態の収拾は前回程には容易ではない。

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