2016/03/12    08:00

サウジアラビア、王国の崩壊は間近か?

王位第2継承者であるムハマンド・ビン・サルマン国防相。


今年3月にトルコとサウジアラビア(サウジ)の地上軍がシリアに侵攻するという噂がある。この侵攻を中止するようにサウジの10人の将軍がサルマン国王と息子のムハマンド・ビン・サルマン国防相に進言したという。その理由はイエメン紛争でサウジ軍は期待された成果を出すことが出来ず、その上にシリアに軍事介入すれば、強いてはロシア・イラン・ヒズボラをも相手にせねばならなくなる。それは、国家の尊厳と君主制の安泰を危険にさらすことになるというのが理由だという。

しかし、サウジの崩壊の近いことを米国のサラ・チェイスとアレックス・デ・ワールの二人があるレポートの中で指摘した。この二人の政治外交アナリストによると、サウジの国家形体は支え切れない経済形体を抱えた企業組織か或いは犯罪に満ちた腐敗組織だとしている。サウジの崩壊へは次の3つの可能性があるとしている。一つ目はサウード家の内部争い、ニつ目は他国との戦争、三つ目は市民とジハードによる蜂起だという(米「Atlantic」誌)。

この三つのどの可能性においても、その導火線となるのはサウジの財政が窘迫しているということだ。

国家の歳入の90%を原油の輸出に依存しているサウジ。最近の原油価格の下洛でサウジの財政事情は厳しい状況にあるという。その具体的な現れは同国の石油会社アラムコの株を売ることを検討するという段にまでなっていることだ。それを煽るように、毎年軍事費が兵器の輸入で増加している。隣国のイエメンとの紛争もベトナム化して長期戦になり戦費は増加している。しかも、この戦争に外国から多くの傭兵が雇われており、彼らへの報酬も負担せねばならない。しかし、頼りにしていた米国のプロ軍隊であるBlackwaterはイエメンでは敗退して米国に引き揚げることになった。(ベネズエラ「teleSUR」紙)。

サウード家の内紛は既に発生している。サルマン国王が息子の王位第2継承者であるムハマンド・ビン・サルマン国防相に国政を委ねているということ自体が既に無謀で、他人の意見を聞く耳をもたない同国防相が独断的にイエメンへの武力介入を決めたとも言われている。1万人いるというサウード家で、サルマン国王が行なっている政治への他のサウード家の不満は初代国王の孫のひとりサウード・ビン・サイフ・ナスル王子が代弁している。彼は昨年ツイッターで現政治体制に不満を表明した。すなわち、内紛の恐れがあることが初めて表面化されたものだ。そしてサルマン国王と息子の国防相を解任させるべきだという動きに向かっているという。

二つ目の他国との戦争という可能性は最終的にはイランとの武力衝突であるが、その前に代理戦争としてイエメンそして次はシリアへの武力介入に繋がる可能性ある。

シリアに武力介入すればサウジの崩壊は早まる。

サウジの60%の国民は貧しい生活を余儀なくさせられているという。そして、イランを宗主とするシーア派も少数ではあるがサウジに存在している。特にサウジの油田地帯はシーア派が多く住んでいる地域だ。これが三つ目にある、この地域から市民やジハードの蜂起に繋がる可能性がある。サウジ国内で社会差別されているシーア派の勢力が増大しているという。

米国はこれまで中東における活動の資金源をサウジとカタールに依存して来た。1970-80年代は当初アルカエダへの武器の供給はCIAが組織し、サウジとカタールの諜報員が協力していた。アフリカ、アフガニスタン、ニカラグアなどでもCIAが動く背後にサウジからの資金協力があったという(「voltairenet」)。

しかし、オバマ政権になってからの中東外交は変化し、制裁から解除されたイランが活発な動きをしている。米国の中東外交も、これまでのサウジを基点とする外交からおのずと変化せざるを得るなくなっている。

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