2015/11/29    06:00

世界の観光客を集める国、スペイン

日本からスペインへの昨年の訪問者はおよそ45万人。年間に6,500万人以上の外国からの訪問のあるスペインでは日本人観光者は僅かだ。スペインはフランス、米国に次いで外国からの訪問者数が最も多い国だ。昨年は6,500万人がスペインを訪れた。英国、ドイツ、フランスからの訪問者数が全体のほぼ45%を占めている。

今年も外国からの観光客の訪問は増加しており、8月までに4,720万人の訪問があり、昨年同期比で4.1%の伸びを見せているという。そして今年はこれまでの最高記録6,800万人の訪問が見込まれているという。
 
日本からの訪問客は、昨年1月から11月までの統計で443,245人となっている。この数字はこれまでのスペイン訪問の最高の記録だという。2010年の43,381人と比較すれば、10倍の伸びではある。

スペインは地球儀で見ると良く分かるが日本から飛んで来るとヨーロッパの端に位置している国で、しかも、ヨーロッパ域内で観光の起点として動くには地理的に不便な国だというのも、これまで日本からの観光客が少なかった理由のひとつとしてある。

スペインが観光立国となった経緯は次のような背景がある。フランコの独裁時代は他のヨーロッパとの接触は少なく、孤立した国であった。外国からの観光客は少なく、国内の観光客が太陽とビーチを求めて地中海沿岸などでレジャーを愉しむようになったのが1960年代からである。スペインの北部を除いて、他の多くの地方では降雨日が少なく、太陽の日照日が年間で平均で300日あるという観光には恵まれた環境。しかも地形的に広い砂浜が各地に存在している。
 
1970年代後半になると、民主政治が施行されるようになり、スペインは1957年設立の欧州経済共同体(EEC)に1977年に加盟してヨーロッパの仲間入りを果たした。そのお蔭で、EECからの観光客が温暖な気候風土を求めてスペインへの訪問が始まったのである。スペイン政府も観光産業には力を入れて来た。そのノウハウを蓄積した現在では観光産業はスペインのGDPの10%を担うまでに発展している。1998年に外国からの訪問者数は4,200万人であったが、今年は6,800万人の訪問者が見込まれているという著しい成長を見せている。

また観光地として世界的に知名度の高いサンティアゴ・デ・コンポステラはエルサレム、バチカンと並んでキリスト教の3大巡礼地のひとつになっている。ヘミングウエーの小説『日はまた昇る』で知られるようになった牛追いの行事があるパンプロナの『サン・フェルミン祭』やバレンシアの大きな人形が市街に飾られて最後に燃やす火祭りの『ファーリャ』なども世界の多くの観光客を魅了している。

また最近ではバレンシア近郊の都市で行なわれるトマトを投げ合う『トマティナ』という祭りも知名度を上げている。この祭りへの今年の外国からの参加者の上位はオーストラリア、英国、日本、米国だったと、スペイン紙『ABC』が報じた。またバレンシアはパエーリャの発祥地でもあり、日本のレストランも毎年スエカ市で開催されるパエーリャコンクールに参加している。
 
スペインの観光専門紙『hosteltur』は、今年7月までの外国からの観光客が使ったお金は371億2,900万ユーロ(4兆8,270億円)で、昨年同期比7.7%の伸びと報じた。また観光客一人あたりの使った金額は978ユーロ(127,000円)で昨年比2.9%の上昇、一日平均113ユーロ(14,700円)で3.8%の伸びだとも伝えている。更に、同紙は観光主要3ヶ国、〈英国人867ユーロ(112,700円)、ドイツ人935ユーロ(121,500円)、フランス人593ユーロ(77,000円)が滞在中に使ったお金だ〉とも報じている。

今年の日本からの観光客が使ったお金についての言及は見当たらないが、2013年8月のガリシア地方の代表紙『La Voz de Galicia』が日本人観光客は平均2,121ユーロ(275,700円)を滞在中に使ったと報じた。日本人はスペインにとって上得意の観光客ということである。またアジア、ベルギー、イタリアからの観光客が急増したことにも言及している。アジアの観光客とは日本、韓国、中国のことだ。

更に上述紙は、観光地として、No.1はカタルーニャ地方で、観光客が使ったお金の23.1%がこの地方の収入となっていること、その次がアフリカの沖に位置するカナリア諸島で19.6%の収入、そして3番目がマヨルカ島やイビサ島があるバレアレス諸島で16%の収入になっていることも報じた。またセビーリャ、コルドバ、グラナダのあるアンダルシア地方は15.3%、首都のあるマドリード地方は13.1%、バレンシア地方は8.3%がそれぞれ観光収入となっているという。

今年のスペインへの外国からの観光客が増えた要因のひとつにチュニジアやエジプトなどがテロからの脅威に晒され、ギリシャの経済危機やトルコの治安悪化などから安価な観光ではなく、少々費用が高くついても安全な国で観光を愉しむということから、観光で実績のあるスペインが選ばれたものだという。その一方で、ロシアの経済の後退を示すかのように1月から8月までのロシアからの観光客は昨年比で36.7%減少している。逆に米国からは21.9%の増加だとスペイン紙『La Vanguardia』が報じた。

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