2016/03/10    08:00

【スペイン発】オリーブオイルの産地偽装が発覚――スペイン産が「イタリア産」に

今年のオリーブオイルの価格は当初50%近く上昇した。現在は、その上昇幅も弱まったが、値上がりの理由はスペインでの干ばつでオリーブの実が不作となったことだ。
スペインは世界のオリーブオイルの生産量の6割を占めている。一方、輸出の世界No.1の国はイタリアである。しかし、2位のスペインとの差が年々縮まっている。(「El Captor

そのイタリアで、スペイン産とギリシャ産の2,000トンのオリーブオイルが「100% Made in Italy」として輸出されていたことが発覚した。

スペインのオリーブオイルの輸出量の42%は、イタリアへ輸出される。オリーブオイルの生産ではスペインの4分の1の生産量でしかないイタリアだが、スペインに次いで世界で2番目の生産国である。イタリアの消費人口はスペインの僅かに1.3倍だ。そのイタリアが、国内消費だけの目的でスペインから多量のオリーブオイルを輸入することはありえない。それでもイタリアがスペインから多量にオリーブオイルを輸入するのは、それをイタリア産として輸出するためである。

イタリアもスペインと同様に、昨シーズンの収獲が50%減っているという。イタリアの場合の減産は、オリーブの木を襲ったバクテリア菌によって100万本のオリーブの木が被害を受けたことが理由だという。その為に、イタリア国内産のオリーブオイルが極度に不足しているのである(「El Confidencial」)。

2014年からEUの規定で、バージンオイルとエクストラバージンオイルは原産国名をラベルに記載することが義務付られている。すなわち、イタリアで瓶詰めされたオリーブオイルでも、原産国スペインと明記する必要があるのだ。しかし、それはイタリア人にとって容易には受け入れられないことで、実行されていない。イタリア産のオリーブオイルとスペイン産を混ぜてイタリア産だと謳って輸出するのがイタリア人の商売の手口である。
 
しかし、今回発覚したのは、スペインとギリシャ産のオリーブオイルを、イタリア産オリーブオイルと混ぜもせず、単にイタリアで瓶に詰め換えただけで、イタリア産として販売していたということなのである。

イタリア人が「Made in Italy」に固執する理由は、その方が外国市場でより評価されると考えているからだ。今から20年前までは、イタリアがオリーブオイルの生産量ではNo.1の国であった。しかも、輸出の柱になった米国市場では、イタリア人移民がイタリア産のオリーブオイルを求めるのは当然であった。一方のスペインはフランコ独裁時代から民主化に移行したのが1975年で、それから1986年に欧州経済共同体(EEC)に加盟して初めてヨーロッパの仲間入りを果たしたのである。それまではスペインにとって輸出市場は非常に限定されていた。対するイタリアはそれよりも30年も前から外国市場に販売市場をもっていた。しかも、イタリア人の輸出への取り組みはスペイン人のそれよりも遥かに組織的で効率性も高い。この30年の差が現在も「Made in Italy」が「Made in Spain」よりも一般的に外国市場でより評価されている理由である。

しかし、現在スペイン産のオリーブオイルの輸出の伸展は著しく、アジア、中南米、オーストラリアではイタリア産よりもより高い評価を得ていると言われている。アジアでは中国、そして中南米ではブラジルで、スペインのオリーブオイルへの需要は非常に高いという。日本の場合は昨年初めてスペインのオリーブオイルが日本市場でNo.1となった。しかし、今もイタリア産とされたオリーブオイルの方がより需要が高い。中身はスペイン産のオリーブオイルかもしれないのに。

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