2017/04/21    10:11

「オバマ時代」の終わりを宣言した、トランプ米政権のシリア攻撃

アメリカが6日に実施したシリアの空軍基地に対する空爆は、トランプ米政権がどのような考え方を持っているかを見極めるうえで、示唆に富む攻撃だった。

シリアへの攻撃が行われるまで焦点となっていたのは、フロリダ州での米中首脳会談であり、核開発を続ける北朝鮮に対して、アメリカが攻撃を行うのかどうかだった。トランプ氏は英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)のインタビューの中で、「北朝鮮の問題を中国が解決しようとしないなら、我々がする。言えるのはそれだけだ」と述べ、単独行動での攻撃も辞さない姿勢を示していた。特に、習近平・中国国家主席との首脳会談の行方が、北朝鮮に対するアメリカの今後の出方を占う重要な材料になるはずだった。

しかし、シリアへの空爆に踏み切ったことで、トランプ大統領は首脳会談の中身が示し得る以上の強いメッセージを北朝鮮に送ったことになる。それは、何か問題が起きれば、アメリカはいつでも行動を起こす意志があるというシグナルだ。首脳会談で何を言うかよりも、より明確にアメリカの意思を示したものと言える。

もっとも、アメリカが今回の攻撃を皮切りにシリア内戦への対処を優先するとすれば、噂されていた北朝鮮への攻撃がただちに行われる可能性は遠のくことになる。そもそも、トランプ大統領がこれまで、外交の分野で繰り返し、誤解の余地がないほど明確に宣言してきたことは「『イスラム国』を消滅させる」という一点であり、このことは、アメリカにとって優先順位が高いのは北朝鮮よりも中東であることを伺わせる。

北朝鮮問題を解決するためにはアメリカの関与が不可欠だとしても、日本としてはアメリカのアクションを待つだけでなく、この問題をまず自国にとっての脅威ととらえ、憲法9条の改正や敵基地攻撃能力の保持などを進めるべきだろう。

今回のシリア攻撃について、日本国内では戦略性のない行き当たりばったりの作戦だという批判もある。しかし、トランプ政権はある意味で有言実行を貫いたと言うこともできる。トランプ氏は選挙中から、具体的な軍事戦略などについて「予測されたくない」として、質問への回答を避ける場面が目立ってきた。予測不能なところを示すという意味では、まさに今回の単独攻撃はその言葉どおりのことを行ったにすぎない。

トランプ政権は前任のオバマ大統領の方針を転換して、ロシアが支援するアサド政権の退陣を必ずしも求めない姿勢を示していた。アサド大統領はそれに乗じるかのように化学兵器を用いて見せ、新大統領の行動を試してみたのかもしれない。しかし、そのもくろみは外れた。オバマ大統領がかつてためらった軍事介入を即断したことで、トランプ大統領は「オバマ時代」が終わったことを明確に世界に宣言した。
(筆者のブログより転載しました。)

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