2016/12/22    13:54

ハイパーインフレでもクーデターが起きないベネズエラ

最近のベネズエラ通貨ボリバルは1ドルの対価は、5000ボリバルという桁違いの高額になっている。高騰を続けるべネズエラのインフレの深刻な度合いを示すものだ。

最近になってフランシスコ・ローマ法王がマドゥロ大統領と野党の間の仲介にも乗り出している。野党はマドゥロ大統領を解任させるために必要な国民投票の実施に必要な署名もすでに集め、年内に国民投票を行いたいと望んでいる。しかし、マドゥロ大統領は政権を握っているという立場から色々と法の目をかいくぐって、その実施を遅らせている。
 
その間も、ベネズエラの物価は留まることなく上昇を続け、超ハイパーインフレに陥っている。物によっては1年経過しないのに既に1500%の価格上昇も記録されているという(「apertura」)。

そのため、支払いには高額の紙幣が必要となっている。そこで、一部の地域では売る側が紙幣を受け取る際に数えるのではなく、束ねて目方を計って売買しているという現象が起きているというのだ。これは1920年代のドイツが超インフレに見舞われた時に同じような現象が起きたという。最高の高額紙幣は100ボリバルである。それを一定の枚数だけ束ねた時の目方を基本にして支払い額を計るのである。100ボリバルの闇でのドルとの交換レートは0.80セントになっていることから、100ドルの買い物をしようとすれば100ボリバルの紙幣を125枚用意することになる(「gurusblog」)。
 
しかし、この闇レートも日々変動している。そして、物価は留まることなく上昇している。それに対応するには100ボリバル紙幣よりも、更に高額の紙幣が必要とされている。しかし、ベネズエラ中央銀行が新しく高額の紙幣を発行するとなると、発行費用の方がその紙幣価値よりも高くつくということで、これまで紙幣の発行を控えて来たというのだ。しかし、現行の100ボリバルが最高額の紙幣である現在、紙幣が不足するという事態も生じている。
 
この事態を深刻に受け止めている政府は中央銀行と相談の末、年末に向けて国債の発行も予定して、500、1000、5000、10000、20000ボリバルの5つの紙幣を発行する意向を固めたようである。しかし、その発行費用を考慮して、紙幣の色は変えるが、デザインは従来のものを使用することに決めたという(「apertura」)。
 
さらに、新しい紙幣の供給が必要とされる理由として、ベネズエラでは40%の国民が銀行口座を持っておらず、地下経済で働いて収入を得るという社会構造になっている。それ故に、そこでは報酬などは現金での支払われることから現金が必ず必要となって来るのである。
 
一方、政府は最近、今年4度目の最低賃金の値上げを発表した。162%の値上げである。しかし、最低限必要な食料品は9月までにこの最低賃金を上回る182%の物価上昇が生じており貧困者にとっては益々生活を苦しめる状況になっている(「gurusblog」)。

これまでの中南米の歴史を見るに、現在ベネズエラが置かれているような社会情勢になれば、軍事クーデターが通常起きている。しかし、現在のベネズエラの場合はチャベス前大統領の時代から軍人は優遇されて官僚に変身するなどして、恵まれた給与を支給されている。そして、公務員の給与が値上げされると、軍人も常にその対象になっている。それ故に、一部の軍人の間でクーデターを起こす動きはあったが、軍部のトップレベルが主導しての政権獲得への動きはこれまで発生していないという。

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